ホンダ「空」での勝機 半世紀ぶりの新規事業
参入障壁が高く保守的な航空産業界で、どう存在感を発揮するか。
1963年に国内メーカーで最後発ながら自動車製造に乗り出したホンダ。それからほぼ半世紀ぶりに、ジェット機で新規事業に本格参入を果たそうとしている。
4月下旬、羽田空港の格納庫で小型のビジネスジェット機「ホンダジェット」が日本で初公開され、伊東孝紳社長は「性能や快適性で新しいスタンダードを切り開く自信作だ」と誇らしげに語った。
ホンダジェットはパイロットを含めて7人乗り。1機450万ドル(約5.4億円)で欧米の企業経営者や富裕層を中心にすでに100機以上を受注している。FAA(米連邦航空局)から最終の型式証明を取得次第、顧客向けに納入が始まる。日本は事業化を前にした「ワールドツアー」の最初の訪問地となった。
ビジネスジェット機の市場規模は、14年に220億ドル(約2.6兆円)と過去最高を記録。リーマンショックで一時落ち込んだが、この10年で2倍以上に成長しており、米欧が市場の7割を占める。小型機の市場を握るのは、米セスナとブラジルのエンブラエルの2強だ。高い安全性が求められるだけに、航空機産業は参入障壁が高く、保守的ともいわれる。そうした中、新参者のホンダは、どう攻め込むつもりなのか。
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