トワイライトエクスプレス寝台券入手の極意 【前編】超人気でも、発車直前に買える!

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旅行会社で勤続十年あまりになる広田さんは、元々鉄道好きということもあり、「マルス」(指定券予約システム)の仕組みを知り尽くしている。

発券端末の機能を隅々まで熟知し、顧客から依頼があればわずか数秒で代案を含めたあらゆる角度から空席を探し出す「マルス・マイスター」だ。

キャンセル確保のチャンスは1日に1分40秒?

「寝台券を含めた指定券は、常に1カ月先まで発売されていますが、『トワイライトエクスプレス』は基本的に常に満席の状態です。それでも、個室に限れば、経験上1日3~5部屋はキャンセルによる動きがあるように思います」

「トワイライトエクスプレス」の個室寝台は、1列車あたり45室。1カ月あたりの運行本数は上下合わせて30~48本なので、窓口では最大約1350~2160室を取り扱っていることになる(実際には、団体ツアー分があるので窓口で扱う個室はこれより少ない)。

寝台個室「スイート」と「ロイヤル」(写真)の寝台券を確保するのは、宝くじなみに難しいとも言われる

このうち、キャンセルされてマルスに戻される個室が1日3~5部屋ということだ。

「自分がマルスに戻した個室がどれくらいで売れるのか、端末上で観察したことがありますが、長くても20秒ほどで売れていきました」。

1日5件、1件あたり20秒。少々乱暴に言えば、「トワイライトエクスプレス」のキャンセル券をキャッチできる可能性は、20秒×5件で1日あたり「わずか1分40秒ほど」ということになる。「プラチナチケット」と言われるのも、うなずける。

では、昔ながらの開放型寝台である「Bコンパート」ならどうだろう。憧れの「個室寝台」を諦めれば、ぐっと入手のチャンスが広がりそうに思える。

「そうとも言えません。Bコンパートは団体ツアーで利用されることが多いので、むしろ一般販売で購入できるチャンスは少ないのです。通常は、ツアー用の席は乗車日が近づくと売れ残りが一般向けに返席されるのですが、今はツアーも満席で、キャンセル待ちの状態が続いているため、返席はほとんどありません。個室よりも難易度が高いように思います」

ここまで聞くと、やはり「トワイライトエクスプレス」の寝台券を入手するのは、ほとんど無理ではないかという気分になってくる。

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