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『誰がアメリカンドリームを奪ったのか?〈上・下〉』 『経済学者、未来を語る』『玉砕の島々』ほか

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誰がアメリカンドリームを奪ったのか?(上) 資本主義が生んだ格差大国
誰がアメリカンドリームを奪ったのか?(上) 資本主義が生んだ格差大国(朝日新聞出版/312ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。
上巻・資本主義が生んだ格差大国
下巻・貧困層へ転落する中間層
Hedrick Smith●ニューヨーク・タイムズ記者時代、「ペンタゴンペーパーズ」の取材と1971~74年の旧ソビエト連邦取材でピュリッツァー賞を受賞。米PBS(公共放送サービス)の特別番組をプロデュースし、エミー賞を受賞。著書に『ロシア人』『パワーゲーム』など。

貧富の格差の拡大はイデオロギー闘争の結果

評者 東洋英和女学院大学副学長中岡 望

ピケティの『21世紀の資本』が世界的なベストセラーになるように、貧富の格差の拡大は世界的な関心事になっている。だが、この問題が出てきたのは1980年代である。サッチャー政権とレーガン政権が採用したネオリベラリズムの政策が膨大な貧富の格差をもたらした。

貧富の格差拡大を取り上げた書籍は数えきれないほど出版されてきた。その中で、本書は最も優れた分析を提供していると言っても過言ではない。著者は、ピュリッツァー賞を受賞した米国を代表するジャーナリストである。本書も過去の著作に勝るとも劣らない秀作であり、その分析は類書を圧倒している。

貧富の格差拡大は、イデオロギー闘争の結果である。歴史を鳥瞰すると、アダム・スミスに代表される古典派経済学をベースとする古典的リベラリズムの時代がある。初期資本主義の時代には、労働者は過酷な労働環境に置かれ、貧富の格差は当然視された。それを是正しようとして登場してきたのが進歩主義であり、その結実がニューディール・リベラリズムである。

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