JRも協力、鉄道写真「草刈りプロジェクト」舞台裏 雑草を整備、指宿枕崎線「松ケ浦駅」美しく変身
また、有志参加者の中にはJR九州の広告撮影を数多く手掛ける鉄道広告写真家の福島啓和氏らも参加。普段から九州の鉄道にレンズを向ける福島氏だからこそ、今回の草刈りには「これは手伝わねば」と福岡から作業着姿で駆けつけた。筆者も時折カメラを置き、微力ながら手伝ったが、目に見えて成果がわかる草刈りは達成感もあり、どこか気持ちいい。
今回の作業は当然線路内に立ち入っての作業となることから、安全確保に十分配慮する必要がある。現在、指宿枕崎線の山川―枕崎間では線路修繕工事が進められており、特定日に列車の運休を実施。当日も上下線合わせて3本の列車が運休しており、7時53分の指宿行が出た後は、16時12分の鹿児島中央行まで松ケ浦駅には列車が来ない。この間合い時間を今回の作業時間に充てた。作業についても、JR九州が最初に参加者全員にガイダンスを行い、管理のもと進められている。
作業は想像以上にスムーズに終わり、昼前には作業前とは見違えるような松ケ浦駅の姿が広がった。長根氏も「間違いなく、指宿枕崎線沿線の重要な観光資源になる」と目の前の光景を見つめる。ここから本当に観光地として継続的に魅せていくためには、まめな管理とプロモーションが必要だ。
「今日が最初の1歩」
鉄道利用につなげていく工夫も考慮していかなければならないだろう。駅にはトイレがなく、草刈りに参加した女性メンバーからも少し戸惑いの声も聞こえた。だからこそ葛岡氏は「今日が最初の1歩」とこの日を締めくくった。
草刈りの翌日、長根氏が松ケ浦駅の光景にレンズを向けた。「冬季は朝焼け、暖かいシーズンは緑が美しい。通年通して魅力的な鉄道風景が松ケ浦駅にはある。魅力をどんどん発信しつづけられたら」と、葛岡氏と長根氏が今回のプロジェクトを振り返った。
地元と有志、JR、そして鉄道写真家が一体となった今回の「草刈りプロジェクト」。この先どのように花開いていくか、筆者自身も1人の鉄道写真家として応援していきたい。
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