公立初、小中高一貫教育「立川国際附属小」の凄さ 英語は小1から週4時間、第2外国語を学ぶ機会も

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第3の特色となるのは、「学びを実践する、行動するための学校行事」だ。

「学校行事は児童・生徒が教室で学んだ成果を発表したり、そこで学んだことを活用して行動したりする実践の場であると捉えています。例えば、国語の時間に百人一首の内容を学んだら、その札を用いて百人一首大会を行うことで、知識と体験とが結び付き、いっそう理解が深まると考えます。本校は、教育の全体構想であるグランドデザインを策定し、育成すべき資質・能力を具体的に定めています。学校行事を実施する際は、その行事を通じて、どのような資質・能力を育成するのかを、教員だけでなく、児童・生徒自身や保護者の方にも理解していただくことが大切です。そうすることで、学校行事がよりいっそう有意義になると考えます」

では、12年間の学びを終え、学校卒業時に想定する生徒像とは、どのようなものなのか。

「より広い世界に向け、挑戦する人になってほしいということです。本校での学びを通して、自分のあり方や生き方を念頭に、より広い視野で進路を開拓してほしいと考えています。世界で活躍し、貢献できる人になることが本校の目指す人物像であり、そのために必要となる経験をし、学ぶわけですから、ぜひ、海外の大学にもチャレンジしてほしいです。実際に進学するかどうかは別として、さまざまな経験を経て身に付けたことや、探究的な学びを通して作成した論文などを、最大限に活用して自分の力を試してほしいと思います。生徒が挑戦する人になれるよう、学校も精いっぱい支援します。実は日本の高校生は、学校教育の中で多様な経験をしています。学習指導要領は先を見通した内容を取り入れ、10年をメドに改訂され、各学校は特色化を図っています。また、学校が部活動の指導を行い、体力向上や協働力を高めるだけでなく、スキルを磨き、スポーツ競技の分野や文化の分野で活躍する生徒もいます。日本語だけでなく、外国語での発信力を身に付ければ、世界へ伝える内容は十分にあると考えます」

これから入学する子どもたちに望むこと

「どういうふうに幼児期を過ごすべきか、という質問を受けることがあります。私は、『幼児の時期を幼児として全力で過ごしてほしい』とお答えしています。大人はサポートしようとして、いろいろと話したり、伝えたりしたくなるかもしれませんが、伴走者のように、寄り添って共に考え、経験することが大切なのではないかと考えます。幼児期は、周囲にあるすべてが学びに通じており、幼児はつねに学んでいます。例えば、お子様が未知のものに出合ったとき、『これは何?』『あれは何?』と聞くことがあると思います。そのとき、答えをすぐに伝えるのではなく、問いかけてお子様の考えを聞き、それから一緒に考えるということが大切ではないでしょうか。お子様にはお子様の見えている世界があり、大人が思いもしない考えを持っているかもしれません。

また、時には、お子様からの質問に答えられないことがあるかもしれません。そこで大切なのは、大人にもわからないことがある、しかしそんなときも大人は対処の方法を知っていると示すことではないかと思います。人は一生学び続けていくわけですから、『お父さん、お母さんにもわからないなぁ。一緒に調べてみよう。どうやって調べたらいいと思う?』とか、『あなたはどう思う?』などと言って、わからないときに大人がどうするかという体験を一緒に積むことが大切なのではないでしょうか。その際、お子様の答えがたとえ荒唐無稽なものだったとしても、『面白い考えだね。どうしてそう思ったの?』など、お子様の世界を認めたうえで、一緒に調べることでお子様の世界がさらに広がっていくのではないかと思います」

例えば、言語は学んでも学んでも明確にならないことがある、と市村氏は語る。ある時、わかったと思っても、また新しい疑問が出てくる。そこでもっと知りたくなって、類推したり、仮説を立てたりして学びが続く。学ぶことは、あいまいさやわからないことを乗り越えて、発見すること、知ることであり、それはわくわくする楽しいことなのだ。

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