正解ない探究学習「教員も学ぶ側から始めよ」の訳 まずは自分事として経験、体感することが大事
「コロナ禍が続き、縮小せざるをえない学校が少なくないのが現状ですが、修学旅行、運動会、学芸会などの学校行事が活発なのも、日本の教育の大きな特徴です。例えば修学旅行は、子どもたちが自分たちで訪れる場所を調べて自分たちで動くことで、探究学習につながります。運動会の企画・運営を生徒たちが自主的に行っていくこともできます。このような学校行事を『主体的』『対話的』なものに変えていくことも必要でしょう」
「学ぶこと」は、究極的には「自分を知ること」だと藤原氏は言う。
「もし子どもが『自分を知る旅』としての『探究』を教師が支援するのであれば、まずは教育者自身が『自分はどんな人間なのか』『教育者として自分は何を伝えたいのか』ということに向き合う必要があります。やはり『先生』というだけあって、『先』に『生きている』人なのです。今、先生に求められているのは『教科書』を教えるだけではなく、『教科書』を超えた広い世界とつながり、将来自分の人生を生きていく子どもたちの支援者となることです。教師自身が『教科書』を超えて学び続け、子どもたちの手本になるような、魅力的な人生を歩むことが大切なのです」

一般社団法人「こたえのない学校」代表理事
慶應義塾大学法学部政治学科卒業。米コーネル大学大学院修士(公共政策学)。日本政策金融公庫、ソニーなどで海外アライアンス、新規事業立ち上げなどを経験。仕事をしながら子育てをする中で「探究する学び」に出合い、2014年「こたえのない学校」を設立。小学生向けの探究型キャリアプログラムを実施するほか、16年から学校教育に携わる教師と学校外で教育に携わる多様な大人が出会い、チームで探究プロジェクトを実施する「Learning Creator’s Lab」を主宰。18年、経産省「未来の教室」事業の採択を受け、世界屈指のプロジェクト型学習を行う「High Tech High」の教育プログラムの日本導入に携わる。著書に『「探究」する学びをつくる』(平凡社)
(写真:藤原氏提供)
(企画・文:長島ともこ、注記のない写真はiStock)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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