SNSで教員が「絶対やってはいけない」3つのこと ネットで「炎上ゼロ」でもまさかのトラブルが

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「#教師のバトン」騒動はある意味「健全利用」

――Twitterといえば、「#教師のバトン」は文部科学省の当初の意図とは違う形で盛り上がりましたが、どうご覧になりましたか。

結果的に教員の働き方改革の「再手術」が始まり、結果オーライかなと。文科省が教員不足問題の調査に乗り出すようですが、今回の炎上がなければ行われなかったでしょう。数えきれないほどの悲痛なバトンが転がり、誰も受け取ってくれる人がいない。そんなイメージが文科省に伝わったのかもしれません。

(イラスト:田中氏提供)

トップダウンでくるものに辟易している若手ばかりのTwitterですから、不平不満があふれるのはある意味「健全なTwitter利用」の状態だと感じました。若手教員が抱えるしんどさを文科省がどう受け取り、現場の声に耳を傾け改善に動いてくれるか、皆が注目しています。

しかし、職員室を見渡しても、Twitterを利用している教員は1割くらいでしょうか。多くの先生方は「教師のバトン? 何それ?」かもしれません。文科省も内心では「匿名の先生がわいわいやっているだけじゃないの」としか捉えていない可能性も。ポーズにならず、具体的な改善のアイデアが形になるとうれしいです。

一方で、「しんどい」と思っている若手教員がTwitter上で集まって盛り上がり、「お先に辞めました」「私も辞めます」と連鎖的に教育現場を去っていく流れをよく見聞きします。きっと中には職場で真剣に「しんどい」と相談したら助けてもらえた人もいたはず。若手教員の方々には、SNSに逃げ込む前に、まずは目の前の仕事やリアルな人間関係にしっかりと向き合ってほしいと思います。

――SNS上には詐欺のような危険な「わな」も潜んでいますが、見極めのコツはありますか。

見極めは難しいですね。とりあえず危うい発信をしているアカウントとは距離をとりましょう。安易にオンラインサロンに誘う人や、たくさんDMを送ってくる人にも注意。Clubhouseも情報商材やスピリチュアル系の人たちが増えたので、囲い込まれないよう気をつけること。自分のファンを増やそうと囲い込みを目的に近づいてくる教員もいます。やたら親切を装って初任者向けにSNS発信している教員などには注意したほうがいいですね。

田中光夫(たなか・みつお)
1978年生まれ、北海道出身。東京都の公立小学校教員として14年間勤務。2016年、主に病気休職の教員の代わりに担任を務める「フリーランスティーチャー」となる。これまで公立・私立合わせて延べ11校で講師を務める。NPO法人「Growmate」理事としてマーシャル諸島で私設図書館建設にも携わる。近著に『マンガでわかる!小学校の学級経営 クラスにわくわくがあふれるアイデア60』(明治図書)
(写真:田中氏提供)

(文:編集チーム 佐藤ちひろ、注記のない写真はiStock)

制作:東洋経済education × ICT編集チーム

東洋経済education × ICT

小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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