スウェーデンの衣料小売り、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)のヘレナ・ヘルマーソン最高経営責任者(CEO)は就任わずか1年余りにして、経験豊富な経営者の一部が直面する以上のさまざまな難題に見舞われた。
中国政府が発した怒りの矢面に立たされる
新疆ウイグル自治区の人権問題に触れた同社は、中国政府が発した怒りの矢面に立たされた。ヘルマーソン氏にとっては最悪のタイミングだったかもしれない。同氏は既に、新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)が招いた多数の店舗閉鎖と大量の在庫管理で多忙を極めている。
ヘルマーソン氏(47)は電話インタビューで、「もちろん困難な1年だった」としながらも、「より予測不可能な世界でリードしていくやり方」について多くを学んだと語った。
同氏はH&M初の女性CEO。今は会長となっている創業家出身のカール・ヨハン・パーション氏(46)から、経営トップを引き継いだ。
自分が買う衣服がどのように作られているのか知りたいという消費者の願いと、中国の一段と強くなる主張および巨大市場の重要性の間で折り合いをつけなければならないのはH&Mだけではない。