小学生恐るべし、ロボコンで見せた圧巻の動作 「WRO」で技術+社会課題解決力が磨かれる
給食で必要な牛乳の量を何頭の牛でまかなえるのか、牛はどんな環境なら飼えるのかといったことは、学校に納入しているメーカーに問い合わせて情報収集したという。「うんち回収ロボット」の構造にも工夫を凝らし、一定量が溜まるとタンクが開くよう当該部分にモーターを取り付けたほか、うんちを落とすとき開閉部分に引っかからないよう、真ん中へ落とすようにしている。
大会の時点では6歳だった黒澤くんは、プラネットキッズという知育教室でプログラミングに出会った。教育版レゴのWeDo2.0やマインドストームを使ってプログラミングを学べるクラスがあり、2歳から通っている。同教室の講師によれば「非常に覚えが早く」、通常は小学生以上に推奨しているクラスに就学前から参加。「チーム回収」のソリューションも、講師のアドバイスを受けつつ自ら考えたという。
東大推薦入試合格者や1部上場企業の技術者も輩出
プログラミングの技術のみならず、社会課題の解決方法を小学1年生が真摯に考えたことが印象的だが、WRO Japanの実行委員は決して意外なこととは受け止めていないようだ。
「子どもたちのITリテラシーは年々上がっています。コロナ禍でのオンライン授業でその傾向が加速した感もありますね。社会課題への取り組みに関しては、小学校の総合の授業でそういったテーマが増えていることもあり、興味を持つ子どもたちが増えてきていると感じています」
そう語るのは、WRO Japan本部実行委員で、富士通グループの子ども向けプログラミングスクール「F@IT Kids Club(ファイトキッズクラブ)」を立ち上げた富士通ラーニングメディアの大木宏昭氏。さらに、WRO Japan競技委員長の吉野和芳氏(神奈川工科大学創造工学部教授)によれば、次世代の技術者を育成する場として企業からの期待も高まっているという。
「2020年からスポンサーになっていただいた会社に、東証一部上場企業のトーヨーカネツ様がいらっしゃいますが、実は今年の春にWRO卒業生が入社し、システム制御の分野で活躍しています。同じように優秀な技術者を小さい時期から育成するべきだということで、WROを応援してくれるようになった企業様も増えてきました」
これまでも、東京大学の推薦入試でエピソードをアピールして合格を勝ち取るなど、AO入試の実績に活用する“卒業生”も多かったWRO。コンピューターを活用するのが当たり前となるSociety 5.0の到来が目前となっている今、高度なITリテラシーと技術力、そして社会課題解決力を併せ持つ人材を次々に輩出する登竜門として機能しつつあるようだ。
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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