東京23区「GIGAスクール構想」気になる進捗度 「1人1台端末」整備、すでに完了した区は4つ

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小学校の児童、中学校の生徒1人に1台端末と、全国の学校に高速大容量の通信ネットワークを整備するGIGAスクール構想は、当初2023年度をメドに進められる予定だった。それが新型コロナウイルスの感染拡大の影響による臨時休校で、オンライン授業の必要性が高まったことから、3年前倒して2020年度中の実現が目指されることになった。現在、東京23区のGIGAスクール構想はどのくらい進んでいるのだろうか。実情を探った。

いまだ新型コロナの収束は見えず第3波が到来したといわれる中、都内では毎日100〜300人超の感染者が出ており予断を許さない状況が続いている。この冬はインフルエンザとの同時流行の懸念もあり、いつまた休校になるかわからない。一刻も早い「1人1台端末」の整備が待たれるが、19年度から5年をかけて23年度までに整備される計画が突然前倒しとなった現場は大変である。

そこで東洋経済新報社では、東京23区でGIGAスクール構想の推進役を担う教育委員会に向けて、進捗状況に関する調査(20年9月23日〜10月7日)を実施。中野区を除く22区から回答を得た。全国からも注目度の高い東京23区のGIGAスクール構想は、どの程度進んでいるのか。ここでは、その一部を紹介する。

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来年3月までに、ほとんどの区で配備完了予定

最も気になるのは、やはり「1人1台端末」の配備完了時期だろう。「すでに配備済み」と回答したのは港区、渋谷区、豊島区、荒川区の4区だ。中でも荒川区は、14年にモデル校4校に加えて小・中学校30校にタブレットPC約1万3000台を導入。全国に先駆けて中学校で「1人1台」体制を確立、小学校においても1〜2年生で4学級ごとに35台、小学校3〜6年生で2学級ごとに40台を配備した。今年11月には、小学校でも「1人1台」を実現している。

渋谷区も、17年9月という早期に1人1台タブレット端末を貸与し、ICT教育を推進してきた。今年8月末には、全端末の入れ替えに加えてICT基盤の再構築も行っており、「授業や家庭学習でのさらなる活用と、教育データの活用による個別最適な学習の実現等を目指している」(渋谷区)という。今後多くの自治体が直面するであろう、端末の更新や運用における課題解決をすでに経験していることから、ほかの自治体が学べることも多そうである。

さらに豊島区は今年9月、港区は今年10月に配備を完了している。一方、受託事業者が決定し「配備準備中」と答えたのは千代田区、中央区、台東区、墨田区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、杉並区、板橋区、練馬区、葛飾区の12区、「受託事業者選定中」は新宿区、文京区、北区、足立区、江戸川区の5区、「予算案を作成・検討中」が江東区で、「次年度以降で予算化」とした区はなかった。

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