ネットで話題、JR九州「感動動画」の誕生秘話 旅に出たくなるが「ステイホーム」も伝わる
4月20日、JR九州のwebサイト内の特設ページ「その日まで、ともにがんばろう」プロジェクトのコンテンツに、あるメッセージ動画が公開された。この動画が今、話題になっている。
動画には九州各地の観光地で働く人たちや、飲食店、農畜産業に従事する人、交通事業者などの現状とメッセージが寄せられており、そのメッセージには「待っているよ」、(コロナが収束したら)「ぜひ来てね」という心が和む単語や朗らかな笑顔が次々と登場する。
2011年の「祝!九州」も人気だった
JR九州の動画といえば、2011年に公開された「祝!九州縦断ウェーブ」というCM動画が印象に残っている人も多いのではないだろうか。九州新幹線の博多―鹿児島中央間の全線開業をお祝いして、同区間を走行するN700系8000番台新幹線にカメラを設置し、列車から沿線に集まる人たちがうれしそうに手を振る様子や、一同に介して思い思いの形でお祝いする姿をつなげたそのCMは、ちょうど東日本大震災が発生した年ということもあり、九州のみならず日本全国に感動を届けた。今回公開されているメッセージ動画「その日まで、ともにがんばろう」動画も、見た人からこの「祝!九州縦断ウェーブ」を思い出し、涙したという声も聞こえてきている。
しかしなぜ、JR九州は今回、こんなにも早くこの動画を制作し、リリースすることができたのだろうか。その舞台裏と動画にかけた思い、伝え方を電話で取材した。
「どうしてもSNSなどで否定的、攻撃的な単語が飛び交っている今、優しく包み、誰かを勇気づけられるような動画を作ることを心掛けました」。そう話すのはJR九州エージェンシーのクリエイティブディレクター、山田大輝さんだ。
山田さんは2017年の九州北部豪雨で被災した久大本線の復旧プロジェクト、「久大本線 ぜんぶつながるプロジェクト」も担当し、このイベントでも単に線路がつながるということをPRするだけでなく、久大本線沿線の人たちとともに、沿線各地で特急「ゆふいんの森」号の全線復旧初列車に合わせて、風船を上げるイベントなどを企画してきた。
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