『戦略シフト』を書いた石倉洋子氏(一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)に聞く

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 いまは両極が共存する時代だ。たとえば、いままでは営利企業は非営利のことをやらない、非営利はほかに任せておけということだった。いまは共存するし、実際にはシナジー効果もある。

また、マーケットに目を転ずると、同じ分野でもメガヒット、一気に爆発的に売れるものもあれば、一方ではロングテール、細々だけど長く売れ続けるものもある。そのどっちかを選ばなければいけないわけでもない。  
--「シンク・ローカリー、アクト・グローバリー」も提唱しています。

シンク・ローカリーは地域での「暗黙知」を生かす意味がある。アクト・グローバリーは実際に世界は一つだと体感し、行動する人たちがいまやたくさんいる。それは多分若い人たち。ITのすごさを体感で知り、瞬時に世界に働きかけたり世界から情報をとったりする。その感覚は大事だ。

--それにしても論旨は、政府の役割重視の時代に逆行していますね。

いま政府が前に出てきているが、それは一時的なもの。確かに環境を整備する役割は大事だが、本当に付加価値をつくって人々の生活を豊かにするのはなんといっても企業の力。企業ががんばらないと富は増えない。配分する元手がないと政府にしても立ち行かなくなる。

(聞き手:塚田紀史 撮影:吉野純治 =週刊東洋経済))

いしくら・ようこ
上智大学外国語学部英語学科卒業後、バージニア・ビジネススクールにて経営学修士(MBA)、ハーバード・ビジネス・スクールにて経営学博士(DBA)取得。マッキンゼー・アンド・カンパニー、青山学院大学教授を経る。

  

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