中国鉄道メーカー、独企業買収で狙う欧州市場

老舗メーカーの機関車部門を取得し拠点に

フォスローの人気車種であるG18/DE18型入換用機関車。Gは液体変速式、DEは電気式と駆動方式が異なる(筆者撮影)

ドイツの総合鉄道メーカーであるフォスロー(Vossloh)は8月27日、世界最大の鉄道メーカーとして知られる中国中車(CRRC)の子会社、中国中車株洲電力機車(CRRC Zhuzhou Electric Locomotive Co. Ltd / CRRC ZELC)へ、機関車事業部門(フォスロー・ロコモティブVossloh Locomotives)を売却することで合意したと発表した。CRRCにとっては、同社初の欧州拠点がドイツ北部のキールに誕生することになる。

フォスローのCEO、アンドレアス・ブーゼマン氏は、「長く困難な販売プロセスを経て、ついに機関車事業部門の売却を発表できることをうれしく思います。Vossloh Locomotivesの最適な戦略的パートナーであるCRRC ZELCは、長期的に機関車ビジネスをさらに発展させるための、必要なリソースを備えています」とコメントしている。

車両部門を売却、インフラに集中

フォスローは、2018年上期の同社全体の売上高が4億3700万ユーロと、対前年比で4.6%増加し、また同年6月末の段階におけるグループ全体の受注残高は33.7%増加の7億2600万ユーロに達するなど、過去数年にわたって順調な業績であったことが報告されていた。

だが一方で、同社は2014年の段階において、すでにビジネスの再構築を進めていた。創業以来の基幹事業であるインフラ部門へ業務を集中させ、社内に残る不採算部門については売却することを決定していた。

2018年のイノトランス(国際鉄道見本市)に参考出品されたフォスロー製G6型入換用機関車。残念ながら受注は芳しくなく、現在は製造されていない(筆者撮影)

まず2015年に、鉄道車両全般を扱うVossloh Rail Vehicles(フォスロー・レール・ヴィークル、スペイン・ヴァレンシア)をシュタドラー(スイス)へ売却、2016年には鉄道車両の制御装置など、電気部品の製造を担ったVossloh Kiepe(フォスロー・キーペ)を大手ブレーキメーカーのクノール・ブレームゼ(ドイツ)へ売却した。最後に残ったのが、今回売却された機関車事業部門で、事業から撤退すると決定した後も、長らく買い手が付かなかった。

売却価格について、まだ調整段階のため正確な数字が出せないものの、おおむね数百万ユーロ前半になると発表されている。

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