改革・成長の両立目指す中国の賭け 市場は懸念

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断続的に訪れる恐怖

人民銀行は、投資商品が何度も資金のひっ迫を引き起こした昨年の経験を踏まえて、リスクの高い金融商品取引の抑制を呼びかけているが、市場が機能不全に陥るのを防ぐために市場介入して流動性供給を行う意向も示している。

ただ、景気がぐらついた時に当局は手をこまねいたりしないというコンセンサスがあるにもかかわらず、逆にこのような市場のコンセンサスのために、改革推進が短期的にどの程度のインパクトを景気に与えるかをめぐる意見の違いは覆い隠されてしまった。

悲観論者は、短期的な改革の痛みの影響でことしの経済成長率は昨年の7.7%から7%近辺まで減速するとみている。ハイリスクの貸し出しを抑制する金融引き締め策や、鉄鋼や鉱業などが抱える過剰設備の削減が具体例だ。

一方で楽観論者は世界景気の回復を予想しており、規制緩和の恩恵や政府の保護を受けていた産業分野の民間開放によってことしの成長率は8%周辺に達するとみている。

こうした見解の相違は、中国政府の唯一の焦点が急速な経済成長であったここ数年間ではほとんどなかった。このことは、政府がいくつかの改革分野に着手したことで、不確実性とリスクが高まっていることを浮き彫りにする。

中央銀行にとって困難なのは流動性管理の修正と影の銀行に対処するための戦略の立案だ。シャドーバンキングはオフバランスの貸し出しが大半を占め、人民銀行は貸し出し抑制を望んでいるものの完全に締め出すことはできず、目下の論点であるとともに市場の悩みの種ともなっている。

シャドーバンキングに対する負荷がエスカレートして本格的な銀行危機に突入した場合、全ての試みは失敗に終わる。しかし、UBSのエコノミスト、タオ・ワン氏のような中国ウォッチャーはその危険性はわずかだと考えている。

ワン氏の基本シナリオはことしが7.8%成長だ。ただ、流動性と金融市場のボラティリティの拡大が繰り返し起きると予想しており、気の弱い人に中国投資は向かないという警告も出している。

レポートの中でワン氏は「中国の株式投資家は、資金調達コスト上昇の結果として主に企業業績の悪化を懸念している。他の投資家は金融システムと経済に対するシステミックリスクへの恐怖に断続的に直面するかもしれない。後者の可能性は低いが、こうした市場の懸念が関連する市場に大きなショックをもたらす可能性もある」と指摘している。

(Kevin Yao、Tomasz Janowski記者)

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