全日空は社長交代で若返り、伊東新社長は航空不況下苦難の登板に
全日本空輸は4月1日付けで伊東信一郎副社長(58)が社長に昇格する人事を決めた。山元峯生社長(63)は代表権のある副会長に就任する。社長就任から4年が経ち、若返りを図る。一方で副会長にとどまることで、経営にも引き続き携わる。
伊東新社長は営業、整備、企画など幅広く担当。実直な態度で社内からも信頼が厚い。山元氏が上司だった時代にはよく酒も酌み交わした仲で同じ九州男児。今後は二人三脚で航空需要減少という嵐を乗り切る構えだ。
社長交代会見での主な一問一答は次の通り。
−− 伊東新社長を選んだ理由は。
山元 私心のなさ、肝のすわり具合、心の広さ。
−− いつ決めた?
山元 昨年12月25日に最終的にお願いした。たまたま彼の誕生日だった。プレゼントか重荷になったのか分からないけど。
−− 交代した理由は?
山元 2010年の成田、羽田空港の拡張をにらんだ準備が済んだため、新体制で最後の仕上げをすることにした。
−− 新社長としての抱負は?
伊東 経営環境が厳しい中で責任の重さを痛感している。特に、2010年には成田、羽田の空港拡張がある。大きなビジネスチャンスとして成長軌道に乗せる必要がある。そして、アジアを代表する航空会社に向けて精いっぱい努力する。
−− 経営課題は?
伊東 国際線が成長戦略の柱だ。今までは首都圏の発着枠が足りないのがネックだった。2010年には増えるので、今まさにどこに飛ぶかを検討している。
−− 山元社長の役割は?
山元 私は社長の補佐。足元が厳しい状況なので、中計達成に向けて本業で社長を補佐していきたい。
−− 社長時代に楽しかったことは?
山元 天皇のフライトで、「お疲れさま」とねぎらいの声をかけてもらった時。それと、羽田の国際化が上海、香港と進んでいったことがうれしい思い出だ。
−− 国内線は路線を縮小・撤退していくのか?
伊東 路線については常に見直す。ただ、営業にもいたので、路線をやめるのは嫌なことだ。維持すべく努力して、地元にも協力してもらうのが基本だ。たとえば、福岡~新潟線はやめざるを得ないと思っていたが、地元にも努力してもらって残すことになった。だが、どうしてもダメな場合はやめる。
−− 新社長の趣味は?
伊東 つりが好き。渓流釣りに東北などによく出かける。テントを背負っていろんなところに行く。家族は4人。娘と息子がいる。
(冨岡 耕)
《東洋経済・最新業績予想》
(百万円) 売 上 営業利益 経常利益 当期利益
連本2008.03 1,487,827 84,389 56,523 64,143
連本2009.03予 1,460,000 55,000 29,000 17,000
連本2010.03予 1,420,000 53,000 28,000 16,500
連中2008.09 753,328 49,835 39,529 22,045
連中2009.09予 720,000 47,000 39,000 22,000
-----------------------------------------------------------
1株益¥ 1株配¥
連本2008.03 32.9 5
連本2009.03予 8.7 3
連本2010.03予 8.5 3
連中2008.09 11.3 0
連中2009.09予 11.3 0
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