東京モーターフェスに見える深刻な世代断絶 老害と若者が車に求めるものはどう違うのか

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もちろん法律上は当時だって違法である。しかし罰則は今に比べれば軽かったし、飲酒運転で捕まったとしても社会的制裁はないに等しかった。筆者はたまたま酒を飲む習慣がないからこれを批判できるが、誰もが相身互いで回っていたのである。若いときから車を運転してきている今の40代以上の人で、これにドキッとしている人は少なくないだろう。

しかし、よもや今の時代にそんな風に考えている人はいまい。飲酒運転が原因となる悲惨な事故が相次ぎ、飲酒運転は厳罰化。「飲んだら乗らない、乗るなら飲まない」。自分の人生を崩壊させないためにそれはもう常識になっている。少なくとも若い人たちから見れば、「取り締まりがなければ飛ばしてOK」という感覚は「捕まらなければ飲酒運転する」というのとほぼ同じことになっている。彼らにとって、むしろそれが当たり前でない人のことが理解不能なのだ。

ワインディングロードでクルマをしごき倒す人は、若者たちからはもはや頭がおかしい人たちだと思われる。まずはそういう時代になっていることを認識しなくてはならない。そういう認識に基づいて東京モーターフェスの企画を検証して見るとどうだろう?

平成への妙なこだわりと未来成分の欠乏

東京モーターフェス2018のキャッチコピーは「胸に、ぎゅんとくる。」だそうだ。それについては多くは語らないが、ひとつだけ言えば、それが志向している方向は未来なのか過去なのか、「きゅん」じゃなくて「ぎゅん」なので断言はしないけれど、少なくとも筆者はあまり未来を志向している感じを受けない。

企画趣旨説明の資料には「平成最後のモーターイベント」として「クルマとバイクに関わる人、みんなが『平成』、そして未来を楽しむイベント」とは書いてある。頭の中では過去だけ見ていてもダメだと思っているのだが、果たしてそういうイベントになっているだろうか?

これから東京モーターフェスの企画を並べて行こう。

メイン企画は4つある。資料から抜き出してみよう。

・平成のお客様への感謝:バック to the バブル
大阪府立登美丘高等学校のダンス部の卒業生が登場し、クルマとのフォーメーションダンスに初挑戦。バブル期を代表するクルマを展示
・平成生まれの新スポーツ:e-Cercuit
これまでにないe-Sports没入体験をお届け! アジア・オセアニアで最も速いドライバーを決める「ネイションズカップ」、グランツーリスモ最速のメーカーを決める「グランツーリスモ真剣勝負・自動車メーカー対抗戦」
・平成が育んだ文化:痛車天国 in TMF
個性あふれるラッピングをした「痛車」が、お台場に大集結! 選りすぐりの10台を日替わりで展示するほか、7日には約200台の痛車が勢ぞろいする「~お台場で超ミーティングしよっ!~ 痛車天国 in TMF」も開催
・平成から未来へ:豊田会長×マツコ・デラックスさんトークショー
マツコ・デラックスさんをゲストにお招きして、豊田会長とのスペシャルトークショーを開催します。クルマ・バイクの魅力をマツコさんとのトークを通じて皆様にお伝えします
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