五輪会場と空港を直結「韓国高速鉄道」の実力 開幕に間に合った「KTX京江線」開業

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オリンピック会場最寄り駅の一つ、平昌駅(筆者撮影)
新しく建て替えられた円形駅舎の江陵駅(筆者撮影)

KTX京江線の列車はソウル駅を起点に、市内東部の主要駅清涼里(チョンニャンニ)から在来線の中央線を利用し、楊平の先の原州(ウォンジュ)付近で分岐して、新たに建設された高速新線に入る。新線には、萬鐘、横城、屯内、平昌、珍富(五臺山)、江陵の6駅が新設された。

新線区間の延長は120.7kmで、江陵付近の一部のみ単線で交換設備の信号場が設置されている。韓国では有数の山岳地帯を通るため、トンネルは34カ所で総延長約76km、橋梁は53カ所で総延長約11kmにも及ぶ。このうち全長21.7kmの大関嶺トンネルは、韓国の山岳トンネルでは最長だ。トンネルには、緊急時に停車して乗客を安全に避難、誘導させる4カ所の脱出ルートや、3つの換気システムが設置されている。

仁川空港と会場を直結

列車の運行は平日18往復(一部列車は清涼里発着)、週末はこれに加えて8往復を増発する形でスタートしたが、韓国鉄道公社(KORAIL)はオリンピック輸送が本格化する1月26日より大増発を実施。1月18日に開業した仁川国際空港第2ターミナル発着の列車を26日より運行開始し、これによって仁川国際空港から江陵まで直結する全長277.91kmの東西横断高速鉄道が完成した。

列車により停車駅のパターンは異なるが、所要時間はソウル―江陵間が114分、空港―江陵間が132分と、従来よりも90分近く短縮された。2月1日からは同空港駅発が16本、ソウル駅発が10本など1日に上下各51本の列車を運行し、片道約4万人の旅客輸送が可能になるという。オリンピック開催期間中は、ソウル23時30分発の江陵行きや、江陵1時00分発の清涼里行きといった深夜便も運行される。

運賃は日本に比べて安く、ソウル―江陵間は一般席で2万7600ウォン(約2800円)、仁川空港からでも4万700ウォン(約4100円)。オリンピック開催期間中とその前後(2月1日~3月25日)を対象に、KTXを含むKORAIL全線乗り放題で割安な外国人用のパス「平昌KORAIL PASS」も発売されている。大人用が5日券16万8000ウォン(約1万7000円)、7日券19万5000ウォン(約1万9700円)で、1月10日までの購入分はシティツアーバス無料などのサービス特典付きだ。なお、上記期間中は一般のKORAILパスでは京江線に乗ることはできない。

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