山手線でプロレス!夢の貸切列車の舞台裏 東京駅も通過、ノンストップ1時間のお祭り

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大崎駅前に集合した「夢さん橋号」のボランティアスタッフら(筆者撮影)

ダイヤのシビアな山手線での貸し切り列車、さらに参加者の中には体の不自由な人たちも含まれる。少しの手違いも許されないイベントならば、参加スタッフに対して何度も事前研修を行いそうなものだが……。

「だって、ボランティアですから。事前に募集したって当日になって来なくなる人もいるかもしれない。アテにはできないんです。むしろ当日になって来てくれた人にきちんと仕事をしてもらえれば、それで十分です」(綱嶋さん)

いわば”ぶっつけ本番”の夢さん橋号というわけだ。そのため、参加者にどのような仕事を割り振るかは主催者である実行委員会のスタッフが当日になって決めていく。参加者を車内に誘導するまでの流れの確認、約1時間の運行中に行うじゃんけん大会などの流れの確認、さらには“演者”として夢さん橋号に乗る人たちの段取り……。

11時に集合してから、車内に参加者を誘導する14時過ぎまでの間にこれらをテキパキと割り振り確認し、準備を進めていくのだ。

「ま、とは言ったって、われわれ30年やってますから。慣れたもんですよ(笑)」(綱嶋さん)

「1周」だけじゃないイベントの数々

メインステージで行われた1日駅長の任命式(筆者撮影)

瞬く間に準備の時は流れ、13時30分からは「夢さん橋」のメインステージで1日駅長の任命式が行われる。ここには綱嶋さんはもちろんのこと、大崎の町の”ゆるキャラ”大崎一番太郎、そして1日駅長を任命する大崎駅長も白い制服に身を包んで参加する。

「まだ5本しかないE235系をこのイベントのために用意しました!」という大崎駅長の発言に、ひときわ大きな歓声が上がる。そして今回の1日駅長は、毎年このイベントに協力してきたという声優の中谷一博さん。同じく声優の林りんこさんと結婚……ということもあって、今回は2人が白いタキシードとウエディングドレスに身を包んで参加することも発表された。

「今年はこんな感じですが、毎年何かひとつ趣向を凝らしたイベントを用意しているんです。普通に山手線を1周するだけじゃつまらないですから(笑)」(綱嶋さん)

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