【産業天気図・ホテル/旅行】景気悪化の影響でホテル、旅行とも視界不良。08年度は曇り空が続く

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予想天気
   08年4~9月  08年10月~09年3月

2008年度に入り、ホテルは景気低迷の影響等で宿泊・宴会とも低調、旅行も原油高による運賃値上げなどで海外旅行需要が停滞しており、ホテル・旅行業界の08年度前半は「曇り」で終わりそう。中国・四川の大地震もマイナス影響。逆に今夏開催の北京オリンピックのプラス効果はわずかで、後半に入っても「曇り」が続きそうだ。
 
 帝国ホテル<9708>は、前08年3月期までに改装を終えたことで今09年3月期は客室稼働率が若干増、工事費用も減り増益を計画する。ただ「今後、法人宴会の減速が懸念」(同社)。5月までの宴会受注は横ばいをキープしているが、今後弱含みで推移する可能性がある。藤田観光<9722>は、椿山荘の婚礼・宴会は比較的堅調だが、高単価のフォーシーズンズホテル椿山荘東京の宿泊が落ち込んでいる。天候不順による箱根小涌園の低調もあり、今期は減益を余儀なくされそう。
 
 一方旅行業界は、国内旅行は堅調ながら海外旅行需要が低調。今年に入り出国者数は4月まで5%減(国際観光振興機構、推計値)と前年割れが続いている。航空会社による燃油特別付加運(サーチャージ)の上乗せが、海外旅行需要を冷やしている。
 
 エイチ・アイ・エス<9603>の今08年10月期の中間決算は、その海外旅行需要、特に20~30代の若者層の停滞が響き、営業利益は前年同期比13・4%減となった。営業強化策によってシェアを拡大したが、売り上げ計画が未達で減益となった。下期はアジア向け旅行の強化、小型店出店などで通期増益を狙うが、計画達成のハードルは高そうだ。KNT<9726>も国内・海外旅行の低調で今08年12月期の中間期は赤字幅が前年同期より拡大する見通し。下期も環境は厳しく、会社計画の見直しを余儀なくされそうだ。

【並木 厚憲記者】

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