11兆0846億円――上場企業の賃貸等不動産の含み損益総額《気になる数字》

東洋経済が上場企業の「賃貸等不動産」の含み損益を集計したところ、その総額が11兆0846億円に上ることがわかった。金融を含む全上場企業の有価証券報告書の中で、保有不動産関連の時価情報が唯一記載されている「賃貸等不動産関係の注記」の有無を確認し、2012年7月期までの1年間で開示があった970社の額を集計した(連結決算実施会社は連結ベース、上場子会社除く)。

期末時点の時価から簿価を差し引いた含み益が最も大きかったのは三菱地所の1兆9444億円だ。「日本一の大家さん」として知られるように東京丸の内の一等地にオフィスビル群を擁するほか、米英などの海外にも展開する。以下、住友不動産、三井不動産と旧財閥系が続き、上位3社合計の含み益は3兆7308億円に達した。

簿価に対する時価の倍率で見ると、全上場企業の加重平均は1.40倍、各社の単純平均は2.12倍となった。トップは電気興業の230倍。遊休土地の簿価700万円に対し16億1300万円の時価評価だ。続いて、新報国製鉄167倍、中日本鋳工37倍となり、設立年度の古い老舗企業が並ぶ。

賃貸等不動産は貸借対照表上では時価評価されておらず、含み損益は顕在化されていない。賃貸等不動産を直ちに売買・換金することは少ないが、含み損益を考慮した場合の企業財務への影響度が注目される。

(データ事業局・東條 碧 =週刊東洋経済2012年12月22日号)
記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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