今の日本は敗戦間近の1940年に似ているのかもしれない《若手記者・スタンフォード留学記 37》

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 人は今の日本には夢がないと言います。しかし、国家にいつも夢があるわけではないですし、国家が常に個人に夢を与えるべきとも思いません。

しかし、これから新しい日本を作り上げていくという仕事は、ただ多くの金を稼ぐだけでは味わえない、充実感・使命感に満ちているはずです。

はっきり言って、若者は悲観論にふけっている暇などありません。日本に絶望している暇などありません。そんな暇があれば、来るべき新たな時代に備え、自己研鑽に励むべきです。

これからの10年、20年は、戦後の焼け野原から、新たな日本を作り始めた敗戦後の日本人のように、一から新しい日本をつくりあげるチャンスです。能天気と言われるかもしれませんが、こんなに面白くて、やりがいのある時代はないでしょう。

では、どういった意味で日本にとって今はチャンスであり、どうやって新しい日本をつくっていくべきなのか--それを、次回以降、考えていきたいと思います。


佐々木 紀彦(ささき・のりひこ)
 1979年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、東洋経済新報社で自動車、IT業界などを担当。2007年9月より休職し、現在、スタンフォード大学大学院修士課程で国際政治経済の勉強に日夜奮闘中。

《若手記者・スタンフォード留学記》バックナンバー
(40)さよならスタンフォード、ただいま日本 - 09/06/17
(39)ニッポン国力増進計画 - 09/06/11
(38)既得権益”崩壊は、マスコミ人の働き方をどう変えるか? - 09/05/29
(37)今の日本は敗戦間近の1940年に似ているのかもしれない - 09/05/22
(36)米国・EU・日本・中国・ロシア・インド--世界6大国の戦力を分析する - 09/05/19
(35)アメリカは巨人、日本はソフトバンク--プロ野球を通して考える国際政治 - 09/04/29
(34)中国経済は、短期中立、中長期では悲観?(下) - 09/04/23
(33)中国経済は、短期中立、中長期では悲観?(上) - 09/04/16
(33)中国経済は、短期中立、中長期では悲観?(上) - 09/04/16
(32) バラバラの中国人を束ねる、イデオロギーは存在するのか? - 09/04/08
(31)中国研修旅行-厳しい北京の環境と、内向きなアメリカ人学生 - 09/04/03
(30)WBCナマ観戦で感じた侍ジャパン応援団の課題 -2009/03/23
(29)スタンフォードで体得した! 効率よく知力を鍛える勉強法 -2009/03/12
(28)留学するなら、2年間がちょうど良い -2009/03/05
(27)”政治”を志す若者に就職活動のアドバイスをするとしたら -2009/02/26
(26)アメリカで盛り上がる、日米“バブル崩壊”比較論 -2009/02/18
(25)韓国留学バブル崩壊! ニッポンの若者よ、留学するなら今がチャンス - 09/02/12
(24)日本の戦後史はあまりにも面白くない -2009/02/05
(23)アメリカで分かった中国人とのつきあい方 -2009/01/28
(22)スタンフォード学生も四苦八苦! 大不況下の「就職活動」 -2009/01/22
(21)米国の知識層を充実させる知的職業の豊富さ -2009/01/14
(20)激動の2009年。「私の予測」と「私の目標」 -2009/01/08
(19)15カ月ぶりの日本で感じたこと -2008/12/26
(18)アメリカ式教育の、強みと弱み -2008/12/17
(17)私が日本の未来を悲観しない理由。オシャレで有能な日本の若者がたくさんいるから -2008/12/11
(16)“英会話”は二の次でいい。本当に大事なのは“英作文力” -2008/12/03
(15)最新メディア事情。新聞は壊滅。でも、雑誌は頑張っている -2008/11/26
(14)ヒロシマ、ナガサキは本当に必要だったのか? 米国で再燃する『原爆』論議 -2008/11/19
(13)ブッシュ大統領と意外と似てる? オバマ新大統領を性格診断してみると -2008/11/12
(12)夫婦留学のススメ、妻が帰国して痛感するありがたさ -2008/11/05
(11)アメリカで考える、日本の雑誌とジャーナリストのこれから -2008/10/28
(10)快楽のないアメリカ文化、成熟国家の若者には物足りない? -2008/10/21
(9)金融危機に、アメリカ時代の終わりを感じる -2008/10/16
(8)内側から見たアメリカの大学と学生--”見掛け倒し”と”本当にすごい”ところ -2008/10/07
(7)先進国でトップ。アメリカの高い出生率の秘密 -2008/09/30
(6)オバマでもマケインでも変わらぬ対中融和政策 -2008/09/24
(5)急増する韓国人学生に感じる“たくましさ”と“わびしさ” -2008/09/16
(4)保守派の愛国心、リベラル派の愛国心 -2008/09/10
(3)日本人の英会話を改善する3つのヒント -2008/09/03
(2)学歴とコネづくりに奔走する米国エリート学生たち -2008/08/29
(1)中国人と一緒に観戦する北京オリンピック -2008/08/21

Photo:U.S. Naval Historical Center
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