薬ではない「自分の細胞を使って髪の毛を取り戻せる」男性だけでなく女性にも光明、自然になじむ期待の"薄毛治療"最前線

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「この第3の細胞を細胞移入療法として使うと、治療法の少ない女性の薄毛治療法として大いに期待できます」。例えば、女性の薄毛のパターンの1つに休止期に入ったまま次の成長期に入れない状態に陥る「休止期型脱毛」があります。これはホルモンバランスの変化などにより、真皮の下層にある皮下脂肪が薄くなったり線維化したりして、毛周期のサイクルが休止期に入ったまま動き出さない状態になってしまうことに関連すると考えられています。

「この薄くなった脂肪層に第3の細胞を移入することで毛包や頭皮の状態が改善し、休止期から成長期に入る可能性は高いだろうと考えています。これも土壌の改良ができる細胞なのです。こちらは27年から臨床研究がスタートする予定となっています」

毛周期

薄毛治療に“my髪のタネ”が選択できるようになる…

もうすぐ、身近なクリニックに“その人専用の髪のタネパック”が届く未来がやってきます。

再生毛包器官原基
再生毛包器官原基。自分の細胞から培養した“タネ”や“苗”がパックされてクリニックに届く日も近い(資料:オーガンテック)

まず毛包を数十本だけ採取し、数週間かけて50〜100倍にまで培養。準備が整ったタネのパックがクリニックに戻り、薄毛部分へ従来の植毛技術で植えていけば、施術は半日ほどで完了――そんなイメージです。

生えた髪は、元からそこにあったかのように毛周期をくり返すため、やがて“再生したことすら忘れる”ほど自然になじむといいます。

こうした技術の進展は、単に髪の量を増やすだけではありません。髪は見た目や生活の質を左右するだけでなく、その人らしさの土台となり、社会との関わり方にまで影響するもの。だからこそ、年齢を重ねて失うことは大きな負担になります。

「薬で十分な効果が得られない人、従来の方法では改善しにくい人でも、自分の細胞を使えば髪を取り戻せる時代になります。いずれは“困る人がいなくなる”。そして、髪をどうしたいかを“自分で選べる時代”が来るはずです」と辻氏。その未来は、すでに私たちのすぐそばまで来ています。

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伊熊 奈美 美容ジャーナリスト、毛髪診断士指導講師

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いくま なみ / Nami Ikuma

女性誌編集部で編集者として務めた後に独立。美容記事を中心に、女性誌の編集・執筆に25年以上携わる。とくにヘア分野では多くの取材経験を生かし、生活者視点の美容メソッドを提案。雑誌、TV、新聞、Web等各メディアの執筆・監修のほか、イベント、講演などにも出演する。著書に『いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、『脱白髪染めのはじめかた〜でもいきなりグレイヘアは無理!』(グラフィック社)がある。

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