大人が極めたい「良質なシャツ」失敗しない選び方とは?仕事のパフォーマンスも左右する"着心地"と"見た目のよさ"は丁寧な「縫製」にあり!

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こちらは1952年の創業以来、著名なテーラーやブランド、セレクトショップのドレスシャツを作り続けているドゥ・ワン・ソーイングの、東京・新橋にある直営店。

土井縫工所店舗
新橋駅から徒歩3分の場所にある土井縫工所の店舗(写真:ドゥ・ワン・ソーイング)

同社はシャツ業界では知らない人のいない影武者的存在だ。試しに手元にある着心地のよいシャツを見てみたら、買った店は異なるのに製造元が実はすべてここだったというケースも非常に多い。

縫製も含めた品質や着心地を突き詰めると、やはり行きつく先はシャツもオーダーメードになってしまう。いざオーダーとなると価格が気になるところだが、土井縫工所はメーカー直営のおかげで、税込み1万円台はじめからスタートと、ヘタな既製品よりリーズナブルなのでご安心いただきたい。

土井縫工所オーダーシャツ
通常よりさらに高品質な縫製を備えた「プレミアム仕様」のオーダーシャツ。/いずれも3万2450円(税込み・10/1時点)(写真:ドゥ・ワン・ソーイング)

首回りや裄丈は当然ながら、肩幅やウェスト・ヒップ、細かいところではカフス回りまで含め、体形に合ったシャツは長時間着てもストレスを感じないので、広い視野で見れば既製品以上にコストパフォーマンスに優れる。

襟型やカフスなど、デザイン面でも選択肢が広がる点もやはり魅力的だし、同店では1度オーダーすればWEB上でリピートが可能な点もありがたい。もちろん縫製はオーダーメードクラスなので、細かい点も丁寧そのもの。

前述した5つのポイントもさることながら、例えば襟やカフスは外側と内側で生地の長さをわずかに変え、きれいな円筒形になるよう縫い合わせている。またカフスについては、手首へのフィット感が格段に増すとともに、ジャケットの袖口からのぞく際に平行に見えるよう端部が極わずかに弧を描くパターンを採用するなど、随所に妥協のなさが垣間見える。

土井縫工所のシャツ細部
肩回りの布を左右で2分割し、フィット感を高める仕様もオプションで用意。カフス回りの縫製も丁寧(写真:ドゥ・ワン・ソーイング)

高価なものや有名なブランドのものが必ずしも最適解とは限らないのはシャツも同じ。さらには素肌に直接触れる分、ジャケットなどに比べ消耗品とならざるを得ないのもシャツの宿命だ。だからこそ今回の記事をご参考に、場面や予算に応じた賢い買い方をしていただきたい。

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飯野 高広 服飾研究家

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いいの たかひろ / Takahiro Iino

1967年東京生まれ。大手鉄鋼メーカーに11年勤務したのち、服飾研究家として独立。その経歴から特異な存在としても知られ、主に男性の服飾品全般についてビジネスマン経験を活かした視点で解説する。出版においては、紳士靴関連では2010年に出版した『紳士靴を嗜む』(朝日新聞出版)が今日まで版を重ね、紳士服関連でも2016年出版の『紳士服を嗜む』(同)が類書にない濃い内容で好評。WEBやTVにも活躍の場を広げ、TV番組「マツコの知らない世界」に「靴磨きの世界」のガイド役として出演。NHKテレビ「美の壺」では「男の靴」の回に出演、「スーツ」の回でも総合監修を行った。また、専門学校では近現代ファッション史の講義も受け持つ。

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