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FRBは「利下げ」以上に深い問題を抱えている/数々のミスを犯したことには謙虚になるべきだ

アメリカ連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長(写真:David Paul Morris/Bloomberg)

チェコ・プラハに本拠を置く国際的NPO「プロジェクト・シンジケート」は多くの有力者の論評・分析を配信しています。「グローバルアイ」では、主に同シンジケートのコラムの中から厳選して翻訳・配信しています。
米連邦準備制度理事会(FRB)に関するメディア報道は利下げのタイミングと規模に集中しがちだが、立ち現れているのはもっと大きな問題だ。来年5月に任期を終えるパウエル議長の後任人事では、目先の市場への配慮などではなく、連邦準備制度(FED)の任務遂行能力と説明責任を全体として高めることを主眼とせねばならない。
トランプ米大統領はFEDに政策金利の大幅な引き下げを迫り、経済活動を押し上げ、政府の借り入れコストを引き下げようとしている。だがこれにより中央銀行の金融政策が過度にインフレ誘発型のものへと押しやられる危険が増している。10年物の米国債利回りを上昇させる危険をはらむ動きだ。10年債利回りが上昇すれば、政府、家計、企業の借り入れコストはすべて上昇する。
さらに金融政策の決定でFEDが有している独立性への懸念が強まれば、米国の金融市場への信用が傷つき、ドルの為替相場のさらなる下落を招くことにもなりかねない。
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