教員の児童盗撮、防犯カメラで学校が「常に監視される状態」に?今すぐできること 学校の不祥事・教員の問題行動との向き合い方
「教員の数を増やすのは簡単ではない」という反論も、当然ながらあるはずだ。しかし、性暴力が問題になっている現状は、拙速な対処策ではなく、根本的な対応策を考え、講じるチャンスではないだろうか。
もう1つには、教員間のコミュニケーションを密にする環境づくりが必要である。忙しすぎる学校現場では、先輩教員が相談に乗ったりする機会さえ失われている状況になっている。問題行動のある教員が放っておかれる環境だといっていい。コミュニケーションが密になれば、問題行動を抑止し、性暴力につながる行動を止めることにもつながるはずである。
問題行動があれば問題にし、改める姿勢を確立することだ。世間と接触する機会の少ない学校は閉塞的な社会になってしまい、管理職もそのためか学校内の不祥事を表面化させたくない体質が強くなってしまった。性暴力を疑われる教員がいても、教育委員会と内密に相談して研修施設などに一時出向させ、ほとぼりが冷めたころに他校に異動させるということもあったようだ。
そうした姿勢を改め、性暴力をはじめとする教員の問題行動と正面から向き合い、学校外に対しても隠さずに取り組んでいくことが必要である。
所沢市の盗撮疑惑では、すぐに警察に通報するなど学校側の積極姿勢も見えている。問題になっている最中で迅速に対応せざるをえなかった事情もあるかもしれないが、隠す体質からの転換の兆しだと期待したい。
性暴力という犯罪の防止は、簡単なことではない。かといって拙速な策ばかりでは根本的な問題解消にはつながらず、学校崩壊にもつながりかねない。学校らしさを失わず、むしろ強めるかたちで、根本的な防止策に取り組んでいくことが必要なときではないだろうか。
(注記のない写真:mits / PIXTA)
執筆:フリージャーナリスト 前屋毅
東洋経済education × ICT編集部
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