最初に任されたのはCDや、オーディオ製品などの「黒物家電」の売り場。得意中の得意分野で、新卒でもそれなりの販売実績を残せた。
森屋とは2年目に同じ西船橋店(千葉県)で働いていたが、彼はそんな私よりも仕事ができたし、早く出世していった。私より大学の偏差値も高いし、サッカーも私より上手い。身長も少し負けている。いろいろな劣等感から、一方的に嫌っていた。

――嫌いだったのがよくわかりました。今は違う様子ですが、何か転機があったのでしょうか。
私と森屋が所属していた営業部が別の部署に統合されたことがあった。われわれは吸収された立場だったこともあり、肩身が狭い思いをした。慕っていた部署の先輩らはみんな辞めていってしまった。
森屋も思ったことを全部口にする人で、それが仇となって、「冷や飯」を食わされたことも多かった。私が森屋の立場だったら絶対辞めていると思う。それでも森屋は活躍し続けた。頼もしいな、と。
勝手に嫌っていたが、そこで勝手に和解した。彼のサッカーチームにも入った。すぐに辞めたが……。
今は全然嫌いじゃない。信頼している。
社長になっても現場を回り続ける
――ホールディングストップの森屋さん、事業会社トップの鈴木さん。それぞれの役割分担はどのように考えていますか。
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