【秘話】ドンキ次期社長は40代生え抜きの鈴木康介氏、「大嫌いだった」と語る同期で親会社のPPIH次期社長・森屋氏との意外な関係とは?

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鈴木康介/すずき・こうすけ 1976年9月生まれ。2000年千葉工業大学工学部卒業後、当社入社。埼京支社長、ユニー取締役、ドン・キホーテ副社長等を経て、2024年9月から代表取締役兼専務執行役員 源流推進本部長兼新規業態開発本部長。2025年9月にドン・キホーテ社長に就任予定(撮影:尾形文繫)
国内大手ディスカウントストアチェーンのドン・キホーテ。節約志向やインバウンドの復活を追い風に、2024年7月~2025年3月期の既存店売上高は前年同期比で7.1%増と勢いが続いている。
9月には、2019年から同社と親会社であるパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)を率いた吉田直樹社長(60)が退任し、中核子会社のドンキ社長には生え抜きの鈴木康介氏(48)が就任する。
鈴木氏はPPIHの新社長に就任する森屋秀樹氏とは同期入社。両者はどういう間柄なのか。人口減少が続く国内事業でドンキの成長余地はあるのか。鈴木氏に聞いた。

「親会社の新社長、森屋は一番嫌いだった」

――事業会社であるドン・キホーテ社長に就任されます。同じく親会社、PPIHの社長に就く森屋秀樹専務とは同期入社ですが、若い頃からお互い、認識していたんでしょうか。

認識どころか、一番嫌いだった。100人ほどいた同期は全体としては仲が良かったが、森屋のことは嫌いで嫌いで、しょうがなかった。

入社したのは2000年。私は学生時代、アルバイトで貯めたお金で全国の中古レコード屋を飛び回るのが趣味だった。当時はクラブでDJもしており、みんなが知らない曲をかけることに美学を感じていた。「ディグ(る)の精神」だ。(編集注:「ディグる」とは、深く掘り下げて、情報やものを探す、という意味のスラング)

マイナーな商品や訳あり品を、価格や陳列で工夫して売り込むドンキに、同じ「ディグの精神」を感じた。それがこの会社に入社した理由だ。

最初に任されたのはCDや、オーディオ製品などの「黒物家電」の売り場。得意中の得意分野で、新卒でもそれなりの販売実績を残せた。

森屋とは2年目に同じ西船橋店(千葉県)で働いていたが、彼はそんな私よりも仕事ができたし、早く出世していった。私より大学の偏差値も高いし、サッカーも私より上手い。身長も少し負けている。いろいろな劣等感から、一方的に嫌っていた。

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