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<詳報記事>政党支部を含めて収支報告書をデータベースにし見える化。浮き彫りになった「企業・業界団体の97%が自民党に献金」している事実

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中身に入る前に、調査の前提と手法を押さえておきたい。西田氏が調査対象としたのは、2363の党本部や党支部の、政治資金収支報告書(2023年分)だ。対象の内訳は、主要5政党(自民、公明、立憲民主、維新、国民民主)の本部、政治資金団体、支部(都道府県、国政選挙区まで)。収支報告書は合計で約6万5000ページになる。

この2363の収支報告書は、それぞれ、総務省や都道府県の選挙管理委員会のホームページでPDFファイルの形で公開されている。大半の届出者が紙で提出しており、書式はばらばらで手書きのケースもある。公開されているPDFファイルは、紙をスキャンしただけのもののため、一般的なOCR(光学文字認識)でデジタルテキストに高精度で変換するのは難しい。

シンクタンクでは、これらを高精度でデジタルテキスト化できるAIを用いたOCRエンジンを開発し、さらに人による確認も行って、データベース化した。代表の西田氏は「全ての献金を可視化できたとは言えないが、国会議員が直接関わる党支部までは押さえており、既存の報道では見られないような広範囲に網がかかっている」とする。

今回は、データベースの中から「法人・その他の団体」(企業だけでなく業界団体などを含む。政治団体は含まない)からの献金についてのデータを抽出して、見ていく。金額については、1000万円未満を切り捨てしている。企業・団体数については、収支報告書に献金者として記されている企業・団体の数をカウントしている。政党への献金額については、企業・団体名が記載されていないものも含む総額を用いている。

企業・団体の献金総額は年間約50億円

まずは大枠から見ていく。主要5政党側に献金していた企業・団体は全国で1万1155あり、献金総額は年間で約49.6億円だった。

献金先を政党別に見ると、ほとんどが自民側だった。総額に占める割合は96%、額は47.7億円で、他党よりけた違いに多い。他党は、立憲民主が1.1億円、国民民主が0.6億円、公明が0.2億円、日本維新の会が0億円だった。

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