映画が子どもの "新たな一面"を引き出す?教員・保護者にも観てほしい作品をピックアップ 未知の作品との出合いで「人生が変わる」経験も

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有坂氏は、「先生も含めてみんなで同じ映画を観て、感想をシェアするとよいと思います」と続ける。先生が作品を選ぶ場合は、先生自身が小学生の頃に感動した映画を観てもらうとよいと言う。

「子どもたちは“先生にも、子ども時代があったんだな”と感じられますし、先生も、自身の小学生の頃を思い出すことで、目の前の生徒にできることが見つかるかもしれない。映画を介したコミュニケーションは、時代を超えられるのも魅力だと思います」

一方で、教員におすすめの映画は、学校を舞台にしたドキュメンタリー映画だという。

「この5年ほど、学校を舞台にしたドキュメンタリー映画が増えています。メキシコの小学校を舞台にした『型破りな教室』は、貧困や犯罪など厳しい環境の中で、子どもたちの未来を考え本気で奮闘する先生の姿を描いた作品です。実話で説得力がありますし、先生の発想がユニークなので、現状打破のヒントが隠れているかも。

型破りな教室
『型破りな教室』 他の画像も見る
(配給:アット エンタテインメント)
©Pantelion 2.0, LLC

『小学校~それは小さな社会~』は、東京都世田谷区の公立小学校で1年かけて撮影された作品で、先生たちの苦悩や葛藤がリアルに描かれています。ドキュメンタリーなので、彼らの表情や声の震えには嘘がありません。同じように悩んでいる先生がいるのだと共感できるはずです」

小学校〜それは小さな世界〜
『小学校〜それは小さな社界〜』他の画像も見る
© Cineric Creative / NHK / Pystymetsä / Point du Jour

これから教員を目指す人には、ロビン・ウィリアムズが主演を務める名作『いまを生きる』をすすめたい、と有坂氏。

「生きることの意味や、教育の大切さなど、本質と向き合える作品です。先生という職業がかっこいいと感じますし、すごい先生が世の中にはいるんだと気付かされます。恩師が見つかっていない人は、この作品の中に恩師を見つけられるかもしれません」

保護者向けには、余命わずかな母親とその家族の愛を描いた『湯を沸かすほどの熱い愛』、聴覚障害者の家族と暮らす、耳が聞こえる少女を主人公にした『Coda コーダ あいのうた』の2作品をピックアップ。

湯を沸かすほどの熱い愛
『湯を沸かすほどの熱い愛』他の画像も見る
発売元:クロックワークス 販売元:TCエンタテインメント【Blu-ray通常版】¥5,280(税込)【DVD通常版】¥4,180(税込)
©2016「湯を沸かすほどの熱い愛」製作委員会
『コーダ あいのうた』
『コーダ あいのうた』他の画像も見る
発売元:ギャガ 販売元:ギャガ (2022年9月2日発売)【Blu-ray】¥5,280(税込)【DVD】¥4,180(税込)
© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS

「現在僕は子育て中ですが、親子の距離や関係性は、時間の積み重ねとともにつくられていくものだと感じています。いずれも子どもに対する親の接し方や、家族のありかたなど、客観的な目線で“家族のかたち”を確認できる作品です。目の前の命に日々向き合っていると、なかなか映画を観る余裕はないかもしれませんが、“いろんな家族がいていいんだ”と思えるだけでガス抜きになると思います」

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