「変化に強い力」が備わっている!脳科学者が解説する「早生まれ」が本当はすごい訳 1〜3月生まれだったら、不利なイメージだが…

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これは実は、早生まれの大きなメリットです。

なぜなら脳の可塑性を、より早いうちから高めることになるからです。脳が若いうちに、いろいろな経験ができるということですね。1年早く難しい問題にチャレンジしていくことになるからです。

結果的に早生まれという状況は、脳の可塑性を高めることにつながるともいえます。思考、判断、記憶などの脳に対する負荷を、周りの子よりも早い段階でしっかりかけていくということは、脳の機能的な側面から見ればかなり大きなプラスなのです。

「3つのできる」が早生まれの才能を伸ばす

環境要因を打ち消し、脳の可塑性を生かすために大切なものの一つが、自己肯定感です。実際、本人が努力すること、周囲がその努力を褒めることで、自己肯定感が高まることがわかっています。早生まれ族がその能力を発揮するためには、夢中になることに没頭できる環境が必要です。何かに熱中することで、努力も苦にならず、周囲から認められる機会も増えていくからです。

受験においては、「いつ勝負すべきか」を、遅生まれ以上に真剣に考えると良いでしょう。中学受験をする場合は、子どもの成熟度を見極め、「結果」ではなく「努力」を認めるようにします。そして大切なのは親子で取り組むことです。親が子どもに教わるくらいの気持ちで臨みましょう。

自己肯定感を保つためには、「ちょっとできる」を3つ持つことをおすすめします。

「ちょっとできる」を掛け合わせていくと、オンリーワンになるからです。世界一でなくてもいいのです。「ちょっとできる」の集合が、いつしか個性になっていきます。

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親御さんの中には、どうしても学年で比べてしまうために、不安になってしまうという方がいるかもしれません。「群」として見れば、特に幼いうちは、差があるかもしれません。しかし、その「群」が個人に当てはまるわけではありません。

一方で、ちょっと幼いと感じられる部分があるなら、たくさん愛情をかけて育てればいいのです。子どもをしっかり見つめ、その努力を見つけて、適切に褒める。「(早生まれだから)しょうがない」ではなく、「(早生まれなのに)ここまでできてすごい」に言い換える。

そのような丁寧な働きかけこそが愛情ですし、愛情をたっぷり受ければ、自己肯定感は保たれます。それこそが将来の学業成績や生きる力につながっていくのです。

(注記のない写真:maroke / PIXTA)

東洋経済education × ICT編集部

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小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。

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