コンゴ民主共和国が「コバルト」の輸出を一時停止 過剰生産で相場急落、供給絞り価格の安定狙う

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コバルトは主に銅の副産物として産出される。近年、コンゴ民主共和国では銅の生産が(大規模鉱山の本格稼働などにより)拡大し、それに伴ってコバルトの生産量も急増した。

中国の市場調査会社、中聯金のデータによれば、コバルト原料の2024年の世界生産量は約28万6000トン。コンゴ民主共和国の生産量はその73%を占め、前年比で24%も増加した。

銅やコバルトはコンゴ民主共和国の経済を支える重要な輸出品だ。写真はCMOC傘下の鉱山を視察する同国の鉱山大臣(鉱山運営会社のウェブサイトより)

一方、欧米諸国でのEV(電気自動車)の販売失速やコバルトを使わないリン酸鉄系リチウムイオン電池の台頭などにより、コバルトの需要は供給拡大に見合うほど伸びていない。

その結果、コバルトの国際市場は供給過剰となり、価格が大幅に下落している。中国の市場調査会社、安泰科信息のデータによれば、中国市場で取引される金属コバルトの相場は2月25日時点で1トン当たり17万元(約350万円)と1年前より24%安い水準にある。

生産最大手は中国企業

世界最大のコバルト生産企業は、中国・河南省に本拠を置く国有資源大手の洛陽欒川鉬業集団(CMOC)だ。

「コンゴ民主共和国の鉱山は平常通り操業している。わが社はすでに輸出済みのコバルト製品(の在庫)を使い、顧客の(当面の)需要に応えていく」。CMOCは2月25日、コバルト輸出の一時停止措置に関して声明を出し、同社の経営に重大な影響は及ぼさないとの見解を示した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

CMOCはコンゴ民主共和国に複数の銅・コバルト鉱山の採掘権益を持ち、2024年に生産した金属コバルトは11万4000トンと前年の2倍強に急増した。

同社は社内に専門のプロジェクトチームを立ち上げ、コンゴ民主共和国政府や現地の業界団体と緊密にやりとりしながら、今後の政策(の変化)に対応する方針だ。

(財新記者:羅国平)
※原文の配信は2月25日

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