航空機に潜むサイバーリスク、現代戦の恐怖攻撃 GPSが「ジャミング」「スプーフィング」の餌食に

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「日本は、衛星についてはあくまで平和利用を目的としており、軍事的に利用することは想定していません。ただ、かつてと比べると、重要インフラを守るために、防衛当局も体制を強化していると聞いています」

サイバー攻撃のターゲットは「人間の心理」にシフトする

世界中の紛争地で、効果的な攻撃として認識されているサイバー攻撃。最も有効な防衛手段は、複数の適切なバックアップシステムを保有することだと佐藤氏は語る。

「敵はどこまでもシステムの脆弱性を突いてくるため、一度標的にされてしまうと、必ずと言っていいほど被害を受けます。だからこそ、バックアップできる別の代替システムを有しておく必要があるのです。航空機にも複数の通信装置があるように、複数のシステムで補完し、レジリエンスを高めていくことで対応することになるでしょう」

今後、サイバー攻撃はどのように進化していくのだろうか。

「サイバー攻撃のターゲットは、今後、システムだけでなく人間の心理へとシフトしていく可能性が高いと考えます。とくに、SNSで人々の不安を煽ったり、リーダーの行動に影響を与えるなどして情報操作や世論誘導を行うことは、認知戦の手法としてすでに活用されています。

戦争の現場では、AIを利用した偽情報の作成やプロパガンダが進化しており、今後は認知戦が主戦場となる可能性もあるでしょう。これらの手法を研究し、AIの技術的な優位性を確保して、先手を打って対応する必要があるのです」

東洋経済Tech×サイバーセキュリティでは、サイバー攻撃、セキュリティーの最新動向、事業継続を可能にするために必要な情報をお届けしています。
國貞 文隆 ジャーナリスト

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くにさだ ふみたか / Fumitaka Kunisada

1971年生まれ。学習院大学経済学部卒業後、東洋経済新報社記者を経て、コンデナスト・ジャパンへ。『GQ』の編集者としてビジネス・政治記事等を担当。数多くの経営者に取材。明治、大正、昭和の実業家や企業の歴史にも詳しく、現代ベンチャー経営者の内実にも通じている。著書に『慶應の人脈力』『やはり、肉好きな男は出世する ニッポンの社長生態学』『社長の勉強法』『カリスマ社長の大失敗』がある。

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