現代の最悪に野蛮な風潮を最もよく体現する人物といえば、ヤヒヤ・シンワル(ガザ地区におけるハマスの指導者)、ベンヤミン・ネタニヤフ、金正恩(キムジョンウン)、ウラジーミル・プーチンらの名前が真っ先に思い浮かぶ。だが、西側の主流派メディアから大部分無視されている惨事にまで視野を広げると、スーダンで内戦を引き起こしている者たちの存在が際立つ。
終わらない暴力のサイクル
見えにくいグローバルな経済論理がむき出しになっているのが、現在のスーダンだ。スーダンでは2019年、長期独裁を敷いたオマル・バシールが大規模な反政府デモによって失脚。民主化への期待が高まったのもつかの間、2人のムスリム将軍の間で残忍な戦争が勃発した。現在も名目上の国家元首である国軍(SAF)の最高司令官アブドゥル・ファッターハ・ブルハンと、準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の司令官でスーダン屈指の富豪モハメド・ハムダン・ダガロが、その2人だ。
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