【産業天気図・外食】景気回復の恩恵あるが、人件費増や原油価格高騰で改善は緩慢

外食産業の今期後半は「曇り」模様、来期前半も「曇り」が続きそうだ。
 大前提として、外食産業の市場規模は1997年をピークに、長らく右肩下がりが続いている。国内の少子高齢化の流れがダイレクトに響いており、業界全体が上向くことは今後も難しい。
 ただ、現在の景気回復基調は久方ぶりのプラス要因だ。「デフレの寵児」として一世を風靡したのち、価格戦略等の失敗が響いて低迷を続けた日本マクドナルドホールディングス<2702.ジャスダック>は、今春の一部値上げの成功や、高価格帯の新メニューの好評を理由に業績予想を増額修正した。低価格イタリアンのサイゼリヤ<7581.東証>もセットメニューや飲料の強化、新メニュー投入が受け、客数・客単価とも好調に推移している。
 だが、しばらくはパート時給増と原油価格高騰の2つが業界に影を落としそうだ。景気回復に伴う労働市場の需給逼迫を背景に、都市部を中心にパート時給は上昇の一途。首都圏では時給1000円を超え始めている。また外食大手では加工品の多くを自社工場で内製している。自社工場から全国の店舗へと毎日配送を行っているわけだが、原油価格高騰を受けてその物流コストが急増している。このため今回、今期後半の天気見通しを前回特集の「晴れ」から「曇り」へ変更した。実際、投資ファンド活用のMBOで9月19日上場廃止のすかいらーく<8180.東証>は、この2点を主因として業績予想を下方修正した。吉野家ディー・アンド・シー<9861.東証>も米国産牛肉の輸入再開を受けて牛丼再開を決定したが、調達量との見合いで当面は限定販売となる見通しだ。
 M&Aも、「すき家」のゼンショー<7550.東証>、「甘太郎」のコロワイド<7616.東証>を軸に続きそうだ。
【風間直樹記者】


(株)東洋経済新報社 会社四季報速報プラス編集部

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