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工作機械受注「17カ月ぶりの前年比増ありがたい」 日工会6月会見リポート&稲葉会長質疑応答

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6月25日に開催された日本工作機械工業会(日工会)月例記者会見の模様。写真中央が稲葉善治会長、左が柚原一夫専務理事(記者撮影)
工作機械は主に金属を切削、研削し、部品や金型を加工する機械のこと。さまざまな機械がこの工作機械で加工された部品や金型を使っていることから、「機械を作る機械」「マザーマシン」といわれる。
工作機械の販売先の多くはメーカーだ。注文(受注)が増えるということは更新需要もあるが、「生産を増やす予定がある」「設備投資の意欲がある」メーカーが増えているということになる。
景気が上向けば、製造業の設備投資の意欲は高まる。つまり工作機械の受注状況は、景気の先行きを知る手がかりとなる。工作機械の業界団体である日本工作機械工業会(日工会)では、毎月、会員企業から受注状況を集計し、月次で速報と確報を発表している。実際、この受注状況は「景気の先行指標」ともいわれ、市場関係者の注目度も高い。
確報発表時には定例会見が開かれ、数字だけでなく、背景など定性的な話も出る。今回は6月25日発表の2024年5月分の受注統計(確報)と、同日に行われた稲葉善治日工会会長(ファナック会長)らが登壇する定例会見・質疑応答の模様をお伝えする。

3カ月連続で1200億円超

2024年5月の工作機械の受注総額は、1245.3億円。前月比でプラス3.0%、前年同月比もプラス4.2%という結果になった。前年同月比がプラスになるのは、2022年12月以来17カ月ぶり。3カ月連続で1200億円を上回った。

稲葉会長は、「地域や業種により状況に差異があるが、全体的には調整局面から、回復局面に向かう転換期に入ったと感じている」と評価した。

ただ、内需は348.4億円で、前月比マイナス4.2%、前年同月比マイナス7.9%という数字に。ゴールデンウィークがあり営業日数が減っていることに加えて、主要業種を中心に慎重姿勢が続く。

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