在日中国人の教育熱に「温度差」が出てきたワケ、脱・学歴主義の考えも 子の出生時から計画立てる人、「普通でいい」人

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今、そのもう1つ上の世代の在日中国人(50~60代)の子ども(20~30代)が日本の大学を卒業し、日本の大手企業に就職、活躍しているが、それに続く世代といっていいだろう。一部は日本国籍を取得して日本名を名乗っていることもある。読者の同僚や取引先にも、日本生まれ日本育ち、日本語がネイティブで高学歴な中国人が増えてきているのではないだろうか。

一方で、ここ1~2年に来日した中国人は、必ずしも、これまでの在日中国人と同様の考え方を持っている人ばかりではないようだ。

近年来日した富裕層は「日本の有名校」にこだわらない

昨今、ニュースなどでも話題になっているのが富裕層の日本移住だ。2020年から流行した新型コロナウイルスに対して、中国政府はゼロコロナ政策を実施。ロックダウンなどの厳しい措置や政治リスクを憂慮した富裕層が22年の後半ごろから急速に海外に「潤」(ルン=海外移住、海外逃亡などの意味)し始め、その一部が日本にもやってきているのだ。

彼らは経営管理ビザなどを取得して日本に居を構えており、年齢は30~50代が多い。彼らが従来の在日中国人と大きく異なるのは、日本語が不自由という点だ。2000年代に留学や就職を目的として来日した前述の在日中国人とは異なり、「中国から逃げる」ことが目的のため、もともと日本にはあまり関心がなかったからだ。

中島 恵(なかじま・けい)
1967年、山梨県生まれ。北京大学、香港中文大学に留学。新聞記者を経てフリージャーナリスト。中国、香港など主に東アジアの社会事情、ビジネス事情についてネットや書籍などに執筆している。主な著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』『中国人の誤解 日本人の誤解』『なぜ中国人は財布を持たないのか』『日本の「中国人」社会』(いずれも日経BPマーケティング)、『「爆買い」後、彼らはどこに向かうのか』(プレジデント社)、『中国人のお金の使い道』(PHP研究所)、『中国人は見ている。』『いま中国人は中国をこう見る』『中国人が日本を買う理由』(いずれも日本経済新聞出版)などがある
(写真:中島恵氏提供)

こうした富裕層たちは、必ずしも子どもを日本の有名校に進学させたいと考えてはいない。

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