1年で175倍に!「QRコード」悪用の深刻な実態 お金を盗み取るだけでなく、スマホ乗っ取りも

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コンピューターウイルスの中には、iPhoneやアンドロイド端末から情報を収集するタイプのスパイウェアと呼ばれる高度なものがある。例えばイスラエル製のスパイウェアである「ペガサス」は、iPhoneに感染することによって、その人の位置情報、写真、通話記録、メールなどすべてを入手することができてしまう。

そのうえ、遠隔からマイクやカメラをONにすることも可能。背筋も凍る話だが、攻撃者はその携帯端末をフルコントロールできるようになるのだ。

敵を知ることで、己を守る

企業がQRコードを用いた攻撃に備えるには、QRコードにリンクされるURLを解析できるメールセキュリティシステムにアップグレードするほか、デバイス認証を導入したり、従業員に対して実際に出回っている攻撃を模した攻撃シミュレーション演習を行い、訓練したりすることが重要だ。

また個人一人ひとりも、QRコードをスキャンする際に、そのQRコードが上から貼り付けられたものではないか、印刷物自体が怪しいものではないのか、QRコードが含まれているメールの差出人が正しいのかなどを疑う必要がある。

少しでも不安に感じる場合は、QRコードを読み込むのではなく、ブラウザから検索して目的のURLにたどりつくのも1つの手だ。

QRコードに限らず、新しい攻撃手法は次々と編み出されている。サイバーセキュリティは「知る」と「知らない」とでは、対応に大きな差が出る。まずは敵を知ることが重要だ。

今、どのような攻撃手法が出回っているのかを把握することで、攻撃を見抜くヒントを得ることになり、サイバー攻撃に対する砦になりうる。

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増田 幸美 日本プルーフポイント チーフエバンジェリスト

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そうた ゆきみ / Yukimi Sohta

早稲田大学卒業。日本オラクルにおいて業務システム構築を手掛けた後、セキュリティ企業のファイア・アイおよびサイバーリーズンにおいてエバンジェリストとして従事。2018年千葉県警サイバーセキュリティ対策テクニカルアドバイザーを拝命。現在、日本プルーフポイントにおいてサイバーセキュリティの啓発活動をおこなっている。2022年度より 警察大学校講師としても活動中。広島県出身。三児の母。Cybersecurity Woman of Japan 2023受賞。

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