EV用電池で中韓勢に劣勢を強いられてきた日本勢が反撃に動き出した。

村尾 修(むらお・おさむ)/ジーエス・ユアサ コーポレーション 社長。1960年生まれ。1982年日本電池(現GSユアサ)入社。2012年取締役、2015年から現職(写真:編集部撮影)
自動車や航空機、再生可能エネルギー向けの鉛電池で世界有数の規模を誇るジーエス・ユアサ コーポレーション(GSユアサ)。2023年にホンダと電動車など向けのバッテリー開発で合弁会社を設立、国から最大1587億円の補助金を受け、滋賀県で工場の建設も進める。村尾修社長に挑戦の背景や今後の経営戦略について聞いた。
※『週刊東洋経済』に掲載したインタビュー記事の拡大版をお届けします
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――この1年間で自動車向けのバッテリーに関する発表を相次いで行っています。
そもそも、バッテリーEV(BEV)向けでは三菱自動車さんの「i-MiEV(アイミーブ)」用に納めた実績がある。その後も研究開発を続けてきたので技術的な蓄積はあった。
ホンダとはブルーエナジーという合弁会社でハイブリッド車(HV)向けのバッテリーをつくっており、トヨタ自動車や三菱自動車にも採用してもらった。これらは非常に順調だ。実はもう1社採用予定の会社がすでに決まっている。
ホンダと話をする中で、BEV向けのバッテリーを今のHV向けの延長線でやっていこうということが決まった。昨年8月に研究開発の合弁会社を設立し、出向も受け入れて100人超の規模で研究をやっている。
完成車メーカーとの関係強化が必須
BEV向けバッテリーへの参入は、当社がこれまで経験したことのない規模であり、リスクも大きい。そのため、実現には完成車メーカーとの関係強化が必須と考えてきた。昨年12月に実施した第三者割当増資によって、ホンダとより強固な関係を築けた。
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