蚊、ゴキブリ、トコジラミといった虫の駆除や発生予防をする虫ケア市場でシェア首位のアース製薬。気温次第で虫の発生数が変動する難しい市場だ。ピーク時の2020年度に114億円超だった営業利益は、原材料費高騰や構造改革費用が重く、24年度に30億円まで落ち込む見通し。体制をどう立て直すのか。川端克宜社長に聞いた。
──主力商材の虫ケアは気温によって販売動向が大きく左右されます。業績が安定化しない点をどう考えていますか。
虫を相手にする業界だから、気温の影響はどうしても避けられない。だが一方、地球温暖化の影響は業界的に追い風となっている。1年を通して暖かい日が増えており、業績の安定化に寄与している。昔、虫ケアは10月から3月にかけてほとんど売れなかったが、現在はその間の売り上げの伸びが著しい。今後、夏場と同水準になるとまでは思わないが、冬場が売り上げを支えてくれれば、業績の変動幅は徐々に小さくなるだろう。
住宅環境の変化にも注目している。現在、家の中では暖房が積極的に使われ、加湿器により湿度も上昇している。外は寒くても家の中が夏と同じような環境となり、ダニが増える状況になっているのだ。冬場でも家の中ではダニ対策が必要とされている。
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