インパクト投資拡大のためには「物差し」が必要。そこで注目されているのが「インパクト加重会計」だ。

社会へのインパクトを金額換算する試みが行われている (写真:ELUTAS/PIXTA)
社会や環境などへの影響を評価軸として考える「インパクト投資」という言葉が投資の世界で浸透してきている。そもそもインパクト投資とは何か? そして最前線ではどのような取り組みが行われているのか? 3回シリーズで伝えていく。
今回は2回目で、社会へのインパクトを金額換算する「インパクト会計」について解説する。
【配信予定】
第1回:投資の基準が変わる「インパクト投資」の影響力
第3回:各企業の経営方針がインパクト投資のカギ握る
インパクト投資効果を金額換算で見えやすく
インパクト投資がより広がるためには、外部からその投資の成果がわかる「物差し」が必要になる。企業にとってはそれが金額に換算され、業績のひとつになることが理想だろう。
そこで注目されているのが、ハーバードビジネススクールのジョージ・セラフェイム教授らが提唱している「インパクト加重会計」だ。
具体的にはサステイナビリティーなどの取り組みで発生する環境や社会へのプラスとマイナス両方の影響(インパクト)を測定し、金額換算を行う。そしてそれらを、貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)に算入していく。
実際の事例はあまり多くはないが海外ではオランダの世界的化学メーカー・DSMや、スイスの医療・医薬品メーカーであるノバルティスファーマなどが実践している。
日本でも、積水化学工業やヤマハ発動機、エーザイなどが積極的にインパクト加重会計を採り入れている。
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