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各企業の経営方針がインパクト投資のカギ握る インパクト投資推進団体に聞く現状と課題

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インパクト投資の推進団体に聞いた、現状や課題。

日本でインパクト投資の推進的役割を果たす社会変革推進財団 (撮影:梅谷秀司)

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社会や環境などへの影響を評価軸として考える「インパクト投資」という言葉が投資の世界で浸透してきている。そもそもインパクト投資とは何か? そして最前線ではどのような取り組みが行われているのか? 3回シリーズで伝えていく。
今回は3回目で、インパクト投資の推進団体である、社会変革推進財団(SIIF)の担当者に足元の状況や課題について聞いた。
【これまでの配信記事】
第1回:投資の基準が変わる「インパクト投資」の影響力
第2回:社会影響を金額換算「インパクト会計」の実現性

ESGの延長でインパクト投資が拡大

日本でのインパクト投資の推進は、一般財団法人である社会変革推進財団(SIIF)がその一翼を担っている。同財団は日本財団が始めたインパクト投資に関する取り組みがルーツで、2019年に社会変革推進機構と合併し、現在の名称となった。その専務理事・青柳光昌氏と常務理事・工藤七子氏に、浸透してきているインパクト投資の現状を聞いた。

――最近、インパクト投資が盛り上がっています。

工藤:2017年に第一生命保険がインパクト投資を開始し、日本でも広がり始めたころから「インパクト投資の市場を拡大していきたい」という思いがあった。当初は小さなベンチャーキャピタルや独立系から始めて、その後に金融機関が追いかけていくような形を予想していた。

実際、2016年度の投資残高は337億円、翌2017年度でも718億円程度に過ぎなかった。そこで当時は「2025年に投資残高1兆円」を目標としていた。それが、2022年度には5兆8000億円まで成長して驚いている。

大きかったのは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のPRI(責任投資原則)署名で、ESG(環境・社会・企業統治)投資が盛り上がったことだ。今はESGの延長線上でインパクト投資が考えられているように感じている。

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