転職の手土産に「社内情報を抜く」社員の危うさ 不正の証拠収集は「共通アカウント」では難しい
内部不正の証拠を集める「デジタル・フォレンジック」
――内部不正による情報流出がしばしばニュースになります。企業はそうした被害を公にしているのでしょうか。
公にならないことが多いと思います。「社員の管理に問題があった」と自白するようなものですし、不正競争防止法で立件するために警察に持ち込まないと表沙汰にはなりません。
よく聞くのは、転職の手土産に社内情報を持ち出すケースです。一度にデータを持ち出すと目立つので、転職活動を始めたころから日々少しずつデータを抜き取るなど、「本当にそんなことをしてしまうのか」と驚かされる話はたくさんあります。その証拠を集めるためにデジタル・フォレンジックを行う企業が増えています。
――デジタル・フォレンジックとは何か、改めて教えてください。
「Forensics」という単語は「法医学」や「鑑識学」に近い意味があります。それぞれ、原因をたどって責任のある人を突き止める仕組みです。


















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