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「サステナブル投資」の観点で日本企業は有望だ ブラックロック幹部に聞く、サステナブル投資戦略

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世界最大の資産運用会社ブラックロックでサステナブル&トランジション・ソリューションズ部門のグローバル責任者を務めるジェシカ・タン氏に、脱炭素関連などサステナブル投資に関する戦略や取り組みについてインタビューした。

世界最大の資産運用会社ブラックロック。その投資動向は世界の金融市場に多大な影響を与える(ロイター/アフロ)
世界最大の資産運用会社ブラックロック最高経営責任者(CEO)のラリー・フィンク氏ら経営トップは、金融庁が主催する投資セミナーJapan Weeks(ジャパン・ウィークス)のために10月初旬に来日。グローバルでの投資促進や日本の政策などに関して、岸田文雄首相と意見交換する。
来日を前に、ブラックロックでサステナブル&トランジション・ソリューションズ部門のグローバル責任者を務めるジェシカ・タン氏に、脱炭素関連などサステナブル投資に関する戦略や取り組みについてインタビューした。


――ブラックロックのサステナブル投資およびトランジション(移行)投資の現状は。

サステナブル投資の運用資産残高は2019年の1060億ドルから、現在、7000億ドルを超えるレベルに増大している。その内訳としては、アクティブ投資で約2000億ドル、インデックス投資およびETF(上場投資信託)合計で約3320億ドル、マネーマーケットの運用残高で約1680億ドル、プライベートエクイティ関連で約170億ドルなどとなっている。

一方、トランジション投資は、低炭素社会や脱炭素社会への移行に関しての取り組みや脱炭素に資する技術に投資するものであり、全体では約1150億ドル。うちインデックス投資およびETFで約560億ドル、アクティブ投資で約410億ドル。プライベートエクイティ、オールタナティブ投資で約180億ドルといった構成だ。

顧客の投資目標に沿って運用する

――サステナブル投資のパフォーマンスを高めるためにどのような点に留意していますか。

資産運用会社である当社の役割は受託者責任を果たすことにある。そのため、顧客の投資目標が何であるかを踏まえ、その目標に沿って資産を運用している。

財務目標に加えて、サステナビリティを重視したいという顧客もいれば、リスク調整後のリターンが最大になるように運用してほしいという顧客もいる。したがって、サステナビリティの要素をどこまで反映するかについてはさまざまな選択肢を用意している。

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