映画が描いてきた「子ども」を通じて世界を見る 『映画は子どもをどう描いてきたか』など書評3冊

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ブックレビュー『今週の3冊』

[Book Review 今週のラインナップ]

・『映画は子どもをどう描いてきたか』

・『教養としての上級語彙 知的人生のための500語』

・『天才読書 世界一の富を築いたマスク、ベゾス、ゲイツが選ぶ100冊』

『映画は子どもをどう描いてきたか』佐藤忠男 著(書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします)

評者・名古屋商科大学ビジネススクール教授 原田 泰

子どもの世界は大人の世界でもある。日米欧に加えアジア、アフリカ、イスラム圏など多くの国の映画が、子どもを通じて、この世界がどうなっているのか、どうあらねばならないかについての情報と考察を提供してきた。本書は子どもや若者の描き方に注目した映画評論集だ。

子どもを通じて世界を見る 偏見から自由になれる評論集

欧米の映画は一般に、子どもが一人前の大人になることを求める。一方、日本の映画においては、子どもが大人の苦労を理解し場合によっては同情することが、大人になることなのだという。ダメな大人も、子どもによい影響を与えうるのだ。

学校の先生も子どもに影響を与える大人である。日本映画には、貧しく無力な親の子どもが先生の励ましによってよい素質を伸ばしていくという話がよくある。映画が学校の反動性や偽善性を告発することはあっても、個々の教師の情熱と善良さはゆるぎないものとして描かれることが多かった。しかし、それは徐々に崩れていったという。

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