気候変動問題が中央銀行の重要課題となっている。地球温暖化は、とくに農業への影響を通じてインフレ圧力になるという証拠が強まっているからだ。災害などの物理的リスクや脱炭素への移行リスクが金融資産の価値に重大な影響を及ぼすことについては、さらに強力な証拠が存在する。金融システムの安定に責任を持つ中銀にとっては無視できない問題だ。
一方で、エネルギー価格を上昇させて温室効果ガスの排出を減らす政策に対する反発は、とりわけ米国において厳しい。中銀が先回りして気候対策に動けば、政治的な戦闘地帯に足を踏み入れ、右派と左派の双方から集中砲火を浴びるおそれがある。
一時は中銀としてのあるべき姿勢についてコンセンサスが生まれる機運もあった。ところが、今では中銀の立場は2つに割れ、その溝はますます広がりそうな情勢だ。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら