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LIXIL「値上げに負けない付加価値創出」の成算 瀬戸社長「高付加価値の窓で住宅を変えていく」

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LIXIL社長の瀬戸欣哉氏
瀬戸欣哉(せと・きんや)/LIXIL社長。1960年生まれ。東京都出身。83年東京大学経済学部卒業、住友商事入社。2000年住商グレンジャー(MonotaROの前身)創業。16年LIXIL社長兼CEO、18年CEO退任後、19年に復帰。(撮影:今井康一)
2022年、住宅設備メーカー各社は資材高、供給網の寸断に苦しんだ。海外拠点が多いLIXILはとくに影響が大きく、22年10月には23年3月期通期業績予想を大幅に下方修正し、事業利益を420億円(前期比35%減)とした。一方で事業構造改革、新商品投入のスピードは速い。瀬戸欣哉社長に逆境の中での戦い方を聞いた。

──22年は想定外の資材高などに加えロシアのウクライナ侵攻が追い打ちをかけました。

僕はMonotaROなどを含め25年ほど社長業をやっていて、リーマンショックや東日本大震災も経験した。それでも22年は、最も大変な年だった。

コロナ禍が続き、(中国などで)ロックダウンがあり、コモディティープライスが跳ね上がった。海上運賃は10倍、20倍に上昇し、ロシアの戦争はサプライチェーン(供給網)を寸断した。円安も進んだ。自分としてはきちんと準備してきたつもりだったが、障害物競走のようになってしまった。

値上がりに負けない付加価値を

──ロシアの物流センターをドイツやドバイに分散したり、素材を銅から亜鉛に切り替えたりしたほか、2度の値上げも実施しました。

この業界の常識では値上げは難しいことだが、ここまで何もかも上がってきたら仕方ないよね、という形になったことは大きい。

長期プロジェクトで2〜3年前に決めた商品の価格について、「あのときの値段で売ってください」と言われても、とてもではないが赤字になってしまう。そこは僕がいちばん苦しんだところだった。

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