地球温暖化の「特殊性」が鍵、グリーン債の経済学 気候変動対策向けの資金調達手段として注目

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猛暑の日の温度計
(写真:Flatpit/PIXTA)

「約束を守る」ことは大事である。約束を守るコツの1つは、守れる約束しかしないこと。もう1つは一度約束を交わしたら順守のための努力を惜しまないこと。多くの人は、これら2つのバランスを考えて行動するだろう。

国や組織が約束をするときも同様である。筆者が専門とする「気候変動の経済学」に関する国際的な約束事としてパリ協定がある。パリ協定は、CO2(二酸化炭素)など温室効果ガスの排出の削減・吸収により気候変動を「緩和」する国際的な約束事だ。

パリ協定は、産業革命前と比べた地表面平均気温の上昇を2度よりも十分低くなるようにし、さらに1.5度未満に抑えるよう継続的に努力することを目標とする。この目標に整合的であれば、各国は自主的に目標(Nationally Determined Contributions:NDCs)を策定できる。

国際連合は1.5度未満という野心的な目標を推奨しており、これは2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにするシナリオに相当する。しかし各国のNDCsがその水準に達しているとは限らず、経済発展度や石炭依存度が高ければ目標は野心的ではなくなる傾向が指摘されている。NDCsは戦略的な「守れる約束」を認めているということだろう。

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