有料会員限定

景気後退に備えて企業業績を先読みしておこう ネガティブな材料、在庫増加、財務内容に注目

✎ 1〜 ✎ 237 ✎ 238 ✎ 239 ✎ 最新
拡大
縮小
(撮影:今井康一)

4〜6月期の決算シーズン終了後は過度なリセッション懸念が後退、市場の関心は業績から物価へ完全にシフトした。足元では各国中央銀行が物価高をどう抑制するかに衆目が集まる。ただ、9月の金融政策がほぼ予想どおりの展開になれば、市場の関心はまたぞろ企業業績に戻っていくだろう。

企業業績はマクロ経済や人々の嗜好の変化、制度や税制の変更など多くを反映する鏡である。コロナ禍からの回復というプラス面と、サプライチェーンの混乱による物価高やロシアによるウクライナ侵攻に端を発するエネルギーのコスト高というマイナス面が交錯しており、企業業績の動向に注意が必要だ。

業績予想の傾向

4〜6月期の決算を押さえておこう。日経225構成銘柄の直近四半期(4〜6月期)の経常利益は前年同期比22%減。2四半期連続で巨額の投資損失を計上したソフトバンクグループと金融セクターを除くベースでは同18%の増益。ただし、対ドルで約2割の円安という輸出企業への追い風にもかかわらず、前四半期までの3割を超える増益基調からは大きく鈍化し、構成銘柄の4割超が減益となった。

次ページ今後心配される企業業績事項3点とは
関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内