高炉メーカーが「電炉への置き換え」に動く必然 JFEが高炉休止とセットで電炉新設を初めて表明

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JFEスチールの倉敷地区の高炉
JFEスチールは西日本製鉄所・倉敷地区の高炉3基のうち、最も古い第2高炉を電炉に置き換える(写真:JFEスチール)

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カーボンニュートラル(CN、CO2排出実質ゼロ)の対応を見据え、高炉大手が一歩前に踏み出した。JFEホールディングス傘下で国内鉄鋼2位のJFEスチールは9月1日、2027年以降に岡山の高炉1基を休止し、新設する大型電炉に置き換えると発表した。

高炉は鉄鉱石と石炭から鉄を造り出す世界で主流の製法だ。日本では75%の鉄が高炉で造られているが、ここ数年、国内拠点は休止が相次いだ。日本製鉄は2020年に1基、2021年には3基を休止。この先も2023年にJFEが1基、2025年に日本製鉄が1基の休止を発表済み。

一連の高炉休止は、過剰な生産能力の是正が目的だった。今回のJFEの決断はそれとは異なる。CO2排出量の削減のための高炉休止である。

カーボンニュートラルに向けた有力な手段

高炉は、酸化鉄である鉄鉱石から酸素を取り除く「還元」と呼ばれる過程で、大量のCO2を排出してしまう。鉄鋼業界のCO2排出量は国内産業部門の約4割、日本全体の約13%を占める。50年のCNを目指すには鉄鋼業界の対応が欠かせない。

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