JR、ローカル線「不振の真因」を見極めるポイント 数字を鵜呑みにせず、経営努力の有無を見るべき

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同じ赤字路線でも地域によって鉄道の実情は異なる。個別にどこまで経営努力が行われているかなど、実態を踏まえたうえで何をすべきか、JRと地元関係者が協議を重ねることが必要だ。

JR西日本のローカル線の経営状況資料
JR西日本が2022年4月に公表した、ローカル線に関する経営状況(編集部撮影)

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「地域の皆様と各線区の実態や課題を共有し、より具体的な議論をする」という目的から、2022年4月にローカル線の経営状況を初めて開示したJR西日本。

そのうちの1つであるJR芸備線は、岡山県の備中神代と広島を結ぶ全長159kmの路線。全国でも特に赤字の大きい路線として知られる。2018年4月1日、芸備線と隣接する三江線(三次―江津間)が利用者の減少に耐えきれず廃止になると、「次は芸備線か」と、全国の注目を集めた。

たとえば、山あいを走る芸備線の「東城―備後落合」間の場合、同社が発足した1987年度には1日当たり476人の利用客がおり、列車が1日8往復していた。現在の利用者は1日平均でわずか9人(2020年度)。1日に3往復なので、単純計算すると1本の列車に2人未満しか乗っていないことになる。

地元の乗客数は少ない線区だと数名程度

芸備線の岡山側の起点は備中神代だが、実際にはすべての列車が特急停車駅である伯備線の新見駅から出発する。今回、記者は備中神代から広島まで芸備線全線区を乗り通してみた(全線区を直通する列車はなく、途中の備後落合駅と三次駅で列車を乗り換える必要がある)。

芸備線は備中神代(岡山)から広島まで159キロメートルある(画像:JR西日本のIR資料、赤枠は編集部)

6月22日、新見駅のホームには1両の列車(キハ120形)が待ち構えていた。このタイプの列車で40数人分の座席と立ち席を合わせて定員は100人強。しかし、定時の13時02分に出発した列車に乗っていたのは記者を含め9人だった。そのうち、記者も含めて3人が鉄道ファン風の装いだったので、地元の乗客は6人くらいとみられた。

その後、停車駅ごとに客が下車し、東城で乗車していたのは7人だった。その後も1〜2人の乗客が乗ったり降りたりしながら、備後落合に到着したときの乗客数もやはり7人だった。

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